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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 27, 2011
Vol. 364 No. 4
ORIGINAL ARTICLES
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遺伝子組換え組織プラスミノーゲン活性化因子によるカテーテル機能不全の予防
Prevention of Ca3theter Malfunction with rt-PA新たに中心静脈カテーテルを挿入された長期血液透析患者に対し,ヘパリンを週 3 回毎回使用するか,2 回目の透析時にのみヘパリンの代わりに遺伝子組換え組織プラスミノーゲン活性化因子(rt-PA)を使用した.rt-PA を使用することにより,カテーテル機能不全と菌血症の発生率が低下した.
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公共の場での心停止と自宅での心停止
Cardiac Arrest in Public vs. at Home院外心停止に関する米国・カナダの大規模登録では,心停止の発生場所が公共の場である場合は,自宅の場合よりも除細動適応の心拍異常がみられることが多かった.この結果は,蘇生戦略,とくに自動体外式除細動器の使用において重要な意味をもつ.
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D 型肝炎ウイルスに対するペグインターフェロン+アデホビル併用療法と各薬剤単独療法の比較
Peginterferon + Adefovir vs. Either Alone for HDVB 型肝炎ウイルスと D 型肝炎ウイルス(HDV)への慢性感染は,治療が困難である.この無作為化試験において,アデホビル併用・非併用下でペグインターフェロンα-2a を投与した患者では,アデホビルを単独投与した患者に比べて HDV RNA 消失率が高かった.
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妊娠第 1 期の中絶と精神疾患
Induced First-Trimester Abortion and Mental Disorderこの研究では,初回妊娠の女性において,人工妊娠中絶の前後で精神科初診率に差は認められなかった.精神科初診率は,中絶した女性のほうが出産した女性より高かったが,この差は中絶前・出産前の時点で明らかであった.
GENOMIC MEDICINE
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ゲノムと癌
The Genome and Cancerマイクロアレイ解析による何千もの遺伝子の発現測定や系統的な DNA 配列決定により,現在癌治療で用いられているツールや薬剤が開発された.この論文では,癌のゲノム解析における最近の進歩を概説する.
CURRENT CONCEPTS
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慢性血栓塞栓性肺高血圧症
Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension慢性血栓塞栓性肺高血圧症は,急性肺塞栓症後に発現することがあるが,肺高血圧症により呼吸困難と右室機能不全をきたすまで見逃されることが多い.この総説は,早期診断・早期管理の指針を提示している.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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皮膚の緊張の低下
Decreased Skin Turgor血管活性腸ポリペプチド産生神経内分泌腫瘍(VIP 産生腫瘍)を有し,下痢による 10 L/日超の体液喪失を呈する 61 歳の男性が,重度の脱水症状で集中治療室に搬送された.
GENOMIC MEDICINE INTERACTIVE GRAPHIC
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ゲノミクスと一連の癌治療
Genomics and the Continuum of Cancer Care癌ゲノムの配列決定で,診断に使用できる癌特異的な染色体再構築の同定,再発のモニタリング,患者から連続採取した血液検体による治療反応の評価ができるようになる可能性がある.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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急性中耳炎の小児に対する鼓膜穿刺術
Tympanocentesis in Children with Acute Otitis Media鼓膜穿刺術では,中耳滲出液の針吸引を行う.この手技により,中耳の排膿,病原体の同定,減圧が可能になる.このビデオでは鼓膜穿刺術を実演する.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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呼吸困難の意外な原因
A Crazy Cause of Dyspnea喘息の既往を有する 18 歳の黒人女性が,発熱,耳痛,胸部右側の鈍い不快感で受診した.胸部の不快感に労作時・呼気時で変化はない.