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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
June 14, 2018
Vol. 378 No. 24
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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制限的輸液療法と非制限的輸液療法との比較
Restrictive versus Liberal Fluid Therapy腹部大手術を受ける患者に対し,術中から術後 24 時間まで制限的静脈内輸液または非制限的静脈内輸液を行った.制限的レジメンでは,無障害生存率の改善は認められず,急性腎障害が増加した.
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小児の糖尿病ケトアシドーシスに対する輸液
Fluid Administration for Pediatric Diabetic Ketoacidosis小児の糖尿病ケトアシドーシスは脳損傷を引き起こす可能性がある.この無作為化比較試験では,静脈内輸液の注入速度と塩化ナトリウム含有量は,いずれも糖尿病ケトアシドーシスをきたした児の神経学的転帰に有意には影響しなかった.
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肺癌におけるアテゾリズマブと化学療法の併用
Atezolizumab plus Chemotherapy in Lung Cancer白金製剤ベースの化学療法レジメンにアテゾリズマブ(抗 PD-L1 抗体)を追加することにより,転移性非小細胞肺癌に対する化学療法歴のない患者の無増悪生存が,PD-L1 発現や EGFR/ALK 遺伝子変異の状態を問わず改善した.
SPECIAL ARTICLE
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禁煙へのアプローチ
Approaches to Smoking Cessation喫煙者を対象とした実用的試験において,金銭的インセンティブは無料の禁煙補助薬を上回る有効性を示し,無料の禁煙補助薬や電子たばこには,通常ケアと同程度の有効性しか示されなかった.金銭的インセンティブに割り付けられた喫煙者の禁煙率は 3%未満であった.
REVIEW ARTICLE
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男性の乳癌
Breast Cancer in Men男性の乳癌は,乳癌全体の約 1%を占め,主にエストロゲン受容体陽性である.男性での治療に関する前向き試験はほとんど実施されていないため,管理は主に閉経後女性を対象とした試験の結果の外挿に基づいている.
CORRESPONDENCE
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インフルエンザワクチンを改良する
Improving the Influenza Vaccineインフルエンザウイルスに対するワクチンを改良するために多くのアプローチが模索されている.この報告では,バキュロウイルスプラットフォームを用いたナノ粒子ワクチンの免疫原性に関するデータを紹介している.
PERSPECTIVE
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失われたタウシグたち
Lost Taussigs女性医師に対する不当な扱いや職業上の差別は,明らかな道徳的問題があるだけでなく,最終的に,生物医科学における才能を失い,患者の臨床転帰不良をもたらす可能性がある.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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虚血性大腸炎における母指圧痕像
Thumbprinting in Ischemic Colitis63 歳の男性が,左下腹部痛を訴えて受診した.CT で S 状結腸の母指圧痕像を認め,開腹にて虚血性大腸炎の診断が確定された.
CLINICAL DECISIONS
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終末期医療における代理意思決定
Substitute Decision Making in End-of-Life Care意思決定能力や事前指示がない患者についての終末期の決定に関するこの双方向性の特集記事では,1 例の症例を提示し,蘇生拒否指示の実施を支持するエッセイと,十分な蘇生処置の継続を支持するエッセイを紹介している.
NEJM QUICK TAKE
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小児の糖尿病ケトアシドーシスに対する補液
Rehydration for Diabetic Ketoacidosis in Children小児の糖尿病ケトアシドーシスに対する治療プロトコールの多くは,脳損傷を予防するためゆっくりと補液することを推奨しているが,静脈内輸液の注入速度が転帰に影響を及ぼすかどうかは依然として明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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医療における性差別
Gender Bias in MedicineLoren Rabinowitz が,女性研修医が性差別的文化のなかで直面する困難とフラストレーションについて論じている.