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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 27, 2019
Vol. 380 No. 26

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 急性無反応患者における脳の活性化
    Brain Activation in Acutely Unresponsive Patients

    急性脳損傷後に指令に従うことができない患者を対象とした単一施設の連続試験において,患者の 15%でベッドサイドで記録した脳波に脳活動が認められた.

  • 重症患者におけるデクスメデトミジン
    Dexmedetomidine in Critically Ill Patients

    人工呼吸管理のため鎮静が必要な ICU 患者 4,000 例を対象とした無作為化試験において,デクスメデトミジンは,通常の治療と比較して 90 日死亡率に対する利益がなく,有害事象が多かった.いずれの群でも,定められた鎮静レベルを得るには薬剤の追加が必要であった.

  • 間質性肺疾患に対するニンテダニブ
    Nintedanib for Interstitial Lung Disease

    全身性強皮症に伴う間質性肺疾患を有する患者に,通常の治療に加えてプラセボまたはニンテダニブが投与された.52 週間評価された努力肺活量の年間変化率はニンテダニブ群で -52.4 mL/年,プラセボ群で -93.3 mL/年であった.全身性強皮症のその他の評価項目に差は認められなかった.

  • 心筋梗塞が疑われる患者における高感度トロポニン検査
    High-Sensitivity Troponin in Suspected MI

    急性心筋梗塞が疑われる患者の 15 の国際的なコホートからのデータを用いて,救急受診時に心筋梗塞である確率と 30 日間の転帰を推定するために,受診時の高感度トロポニン I または T,2 回の測定間の変化,検体採取の間隔を統合するリスク評価ツールを開発し,妥当性を検証した.

SPECIAL ARTICLE

  • 経カテーテル大動脈弁置換術
    Transcatheter Aortic-Valve Replacement

    メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)は,経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)に対する償還の条件として,最低限の術件数を設定した.CMS はこの方針を再検討している.2015~17 年のデータに基づくこの解析では,30 日後の死亡率は TAVR 件数の少ない病院または術者により TAVR を受けた患者のほうが高かった.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 結腸膀胱瘻
    Colovesical Fistula

    結腸膀胱瘻

    72 歳の女性が,2 週間前から尿中に気泡が発生するようになり,受診した.膀胱鏡検査で,浮腫のある膀胱粘膜の領域が認められ,中心にある穴から気泡と汚物が押し出されており(動画で示す),結腸膀胱瘻の診断がなされた.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL VIDEO

  • 血液検体中で生存する寄生虫
    Live Parasites in a Blood Specimen

    血液検体中で生存する寄生虫

    拡張型心筋症で同所性心臓移植を受けた 52 歳の女性が,左脚と左腕に圧迫により消褪する紅色結節を訴え,術後 40 日目に入院した.新鮮全血検体のアクリジン・オレンジ染色による蛍光顕微鏡検査で,原虫の核酸を直接可視化することができた.

REVIEW ARTICLE

  • 成人における成長ホルモンの評価
    Growth Hormone Assessment in Adults

    成人における成長ホルモンの評価

    成長ホルモンの合成と生理について,成人における遺伝子組換え成長ホルモン使用の点から論じられている.成長ホルモン欠損症の可能性がある成人に対する成長ホルモンの評価が検討されている.無作為化比較試験と,個別化された有効性マーカーが必要である.

NEJM QUICK TAKE

  • 急性脳損傷における認知と運動の解離
    Cognitive–Motor Dissociation in Acute Brain Injury

    急性脳損傷における認知と運動の解離

    臨床的に無反応の患者では,脳波または MRI で音声指令への反応を示す脳活動の所見が認められる場合があるが,認知と運動に解離がみられる割合とその予後との関連は十分に解明されていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • オバマケアの持続性
    The Persistence of Obamacare

    オバマケアの持続性

    Jonathan Oberlander が,医療費負担適正化法(ACA)に対する最新の法的な異議申し立てと,ワシントンにおいていまなお続く保健政策の行き詰まりについて論じている.