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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
December 5, 2019
Vol. 381 No. 23
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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大腿骨近位部骨折に対する人工股関節全置換術と半関節形成術との比較
Total Hip Arthroplasty or Hemiarthroplasty for Hip Fracture50 歳以上の転位型大腿骨頸部骨折患者が,人工股関節全置換術群と半関節形成術群に無作為に割り付けられた.人工股関節全置換術は,半関節形成術と比較して 2 回目の処置の発生率に有意差は認められず,また,術後 24 ヵ月間の機能は良好であったが,その差は臨床的に重要ではなかった.
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腸チフスワクチンの第 3 相試験
Phase 3 Trial of a Typhoid Vaccine腸チフスは依然として,世界の疾病と死亡の主要な原因の一つである.この試験では,ネパールの小児で,腸チフス結合型ワクチン(TCV)の有効性が評価された.20,019 人が TCV の接種または A 群髄膜炎菌ワクチンの接種に無作為に割り付けられた.TCV は Salmonella Typhi 菌血症の 81.6%の減少と関連した.
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特発性アカラシアに対する内視鏡的筋層切開術と外科的筋層切開術との比較
Endoscopic or Surgical Myotomy for Idiopathic Achalasia無作為化試験で,症候性特発性アカラシア患者に対する経口内視鏡的筋層切開術(POEM)と腹腔鏡下 Heller 筋層切開術+Dor 噴門形成術(Heller–Dor 手術)との比較が行われた.POEM は,2 年の時点でのアカラシアの症状のコントロールに関して,Heller–Dor 手術に対し非劣性を示した.胃食道逆流の症状は POEM 群でより多くみられた.
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片頭痛に対する小分子カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体拮抗薬
Small-Molecule CGRP Receptor Antagonist for Migraineカルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体拮抗薬ユブロゲパントの投与を受けた群は,プラセボの投与を受けた群と比較して,投与後 2 時間の時点で片頭痛がなかった参加者の割合と,もっともつらい片頭痛関連症状がなかった参加者の割合が高かった.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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不確実性に直面する
Facing Uncertainty57 歳の女性が,1 年前から続く顔面の掻痒感を伴う皮疹を訴えて受診した.皮疹はプレドニゾンとヒドロキシクロロキンの 3 ヵ月のコースに反応を示さなかった.発赤は顔面から頭皮・頸部へと広がっていた.2 週間前から,湿性咳嗽と進行性の呼吸困難があるという.
SPECIAL REPORT
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Shattuck 講演:ケアの未来
Shattuck Lecture: The Future of Care患者と医師の関係が医療の中心であり続けるようにするためには,もう少し時間を必要とする患者と医師が十分な時間を過ごすことができるようにすることと,複数の専門家から個々の患者に提供されるケアをよりよく調整することの両方が重要である.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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メルケル細胞癌
Merkel-Cell Carcinoma84 歳の女性が,右手の急速に成長する結節を訴えて受診した.病理検査で真皮の結節性浸潤が認められ,メルケル細胞癌の診断が下された.
REVIEW ARTICLE
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院外心停止に対する市民救助者によるケア
Lay Responder Care in Out-of-Hospital Cardiac Arrest市民救助者は,院外心停止を起こした人の蘇生において重要な役割を果たす.きわめて重要な手順として,心停止の認識,救急通報,心肺蘇生,自動体外式除細動器の使用などがある.
NEJM QUICK TAKE
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人工股関節置換術と再手術のリスク
Hip Arthroplasty and Risk of Reoperation大腿骨近位部骨折患者は,死亡,健康上の障害,QOL 低下のリスクがかなり高いが,人工股関節全置換術は,半関節形成術よりも再手術が少なくなり,良好な股関節機能が得られるかどうかは不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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ダニ媒介疾患の脅威
Tickborne Disease ThreatsGoudarz Molaei が,ローンスターダニとその他のダニ種の生息域の拡大と,ヒトの健康への影響について論じている.