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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 9, 2020
Vol. 382 No. 2

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 無症状の大動脈弁狭窄症に対する早期手術
    Early Surgery for Asymptomatic Aortic Stenosis

    非常に重症の大動脈弁狭窄症を有する無症状の患者が,早期に弁置換術を行う群と,保存的治療を行う群に無作為に割り付けられた.追跡期間中央値 6 年の時点で,手術死亡または心血管系の原因による死亡の複合転帰は早期手術群のほうが少なかった.

  • 経カテーテル大動脈弁置換術後のリバーロキサバン
    Rivaroxaban after Transcatheter Aortic-Valve Replacement

    経カテーテル大動脈弁置換術が成功した患者が,リバーロキサバンベースの抗血栓レジメンを行う群と,抗血小板薬ベースの抗血栓レジメンを行う群に無作為に割り付けられた.17 ヵ月の時点で,主要複合転帰である死亡または血栓塞栓性合併症はリバーロキサバン群でより多く発生した.

  • 経カテーテル大動脈弁置換術後の弁尖の可動性の低下
    Reduced Leaf let Motion after TAVR

    臨床試験で,経カテーテル大動脈弁置換術が成功した患者がリバーロキサバン群と抗血小板薬レジメンに割り付けられた.CT を受けた患者を対象としたそのサブスタディで,90 日の時点での弁尖の肥厚および可動性の低下を認めた割合は,リバーロキサバンのほうが低かった.しかしその主試験では,リバーロキサバンは死亡または血栓塞栓性合併症のリスクと出血のリスクが高いことに関連していた.

  • 比較的低リスクの骨髄異形成症候群に対するラスパテルセプト
    Luspatercept for Lower-Risk Myelodysplasia

    ラスパテルセプトは,環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群患者におけるトランスフォーミング増殖因子(TGF)-βファミリーへの結合と,SMAD2 および SMAD3 のシグナル伝達を抑制することを目的とした融合蛋白である.比較的低リスクの骨髄異形成症候群を有し,輸血依存状態にある患者を対象とした無作為化試験で,8 週間以上の輸血非依存状態が達成された患者の割合は,ラスパテルセプト群では 38%,プラセボ群では 13%であった.

SPECIAL ARTICLE

  • 医療のホットスポッティング ― 無作為化比較試験
    Health Care Hotspotting ― An RCT

    ニュージャージー州カムデンの「ホットスポッティング」プログラムは,医療サービスの高度利用者(superutilizer)の再入院を,外来での診療を調整する看護師,ソーシャルワーカー,地域の医療従事者による自宅訪問と電話を介して予防するためにデザインされた.無作為化比較試験で,このプログラムにより再入院は減少しなかった.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 嘔吐と体重減少をきたした男児
    A Boy with Vomiting and Weight Loss

    11 歳の男児が,持続する嘔吐と体重減少のため評価を受けた.内視鏡検査で,胃前庭部の発赤,十二指腸のややホタテ貝状に変形した粘膜を認めた.11 日後に失神を起こした.男児は入院し,追加の診断検査が行われ,診断が下された.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 皮膚リーシュマニア症
    Cutaneous Leishmaniasis

    皮膚リーシュマニア症

    19 歳の男性が,右手の徐々に拡大する潰瘍を訴えて受診した.パンチ生検で採取した検体で,リーシュマニア原虫無鞭毛型を含むリンパ球と組織球の強い浸潤を認めた.

REVIEW ARTICLE

  • 圧反射機能の低下
    Baroreflex Dysfunction

    圧反射機能の低下

    圧反射は,適応する役割と恒常性を維持する役割の両方を担い,血圧,心拍数,血液量を正常範囲に保っている.圧反射機能の障害はさまざまな症状を呈し,その原因は多様である.圧反射機能低下の評価と管理が概説されている.

NEJM QUICK TAKE

  • 経カテーテル大動脈弁置換術後の血栓塞栓症を予防する
    Preventing Thromboembolism after TAVR

    経カテーテル大動脈弁置換術後の血栓塞栓症を予防する

    観察データから,生体弁では症状を伴わない弁尖血栓が生じる可能性があることと,そのリスクは抗凝固療法で抑えられる可能性があることが示唆されている.現在のガイドラインは経カテーテル大動脈弁置換術後早期の抗血小板薬 2 剤併用療法の実施を推奨しているが,主に専門家の合意に基づくものであり,エビデンスに乏しい.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 価値と医療制度改革
    Values and Health Care Reform

    価値と医療制度改革

    David Cutler が,「すべての人にメディケアを(Medicare for All)」や,米国の医療制度の改革に向けたその他の提案をめぐる論争について論じている.