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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 10, 2020
Vol. 383 No. 11

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 気管切開カニューレ抜去のための戦略
    Strategies for Tracheostomy Decannulation

    患者が気管切開カニューレを抜管できる状態にあるかどうかを,チューブにキャップを装着して患者にチューブを使用せず呼吸してもらう方法と,気管内吸引の必要性をモニタリングする方法で検討した.吸引法で抜管可能と判断された患者のほうが転帰は良好であった.

  • 血友病 A に対する第 VIII 因子活性の持続期間を延長する
    Extending Factor VIII Activity in Hemophilia A

    重症血友病 A 患者を対象とした試験で,新規融合蛋白 BIVV001 の注射により,第 VIII 因子活性の持続期間が遺伝子組換え第 VIII 因子の最大 4 倍長くなり,この延長は,投与間隔を週 1 回とする治療が可能であることを示唆している.

  • 家族性大腸腺腫症に対するエフロルニチンとスリンダクの併用
    Eflornithine–Sulindac in Familial Adenomatous Polyposis

    家族性大腸腺腫症を有する成人 171 例を対象とした無作為化試験で,エフロルニチン(オルニチン脱炭酸酵素阻害薬)とスリンダク(非ステロイド抗炎症薬)を併用した群の疾患進行率は,それぞれを単独投与した群と比較して有意に低くはなかった.

  • 去勢抵抗性前立腺癌に対するダロルタミド
    Darolutamide in Castration-Resistant Prostate Cancer

    非転移性去勢抵抗性前立腺癌で,PSA 倍加時間が短い患者を,ダロルタミド群とプラセボ群に無作為に割り付けた.3 年全生存率はダロルタミド群で 83%,プラセボ群で 77%であり,死亡リスクはダロルタミド群のほうが 31%低かった.毒性は 2 群で同等であった.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 侵入思考と被毒恐怖を有する男性
    A Man with Intrusive Thoughts and Fear of Poisoning

    64 歳の男性が,高齢者精神科クリニックで,慢性うつ病,侵入思考,被毒恐怖の評価を受けた.この患者はハイチで育ち,そこでは,本人,同胞・親戚,ならびに地域社会の多くの人がブードゥー教とサンテリア教の信仰を守っており,タロット占いを行っていた.診断および管理の意思決定がなされた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 虫垂の寄生虫
    Parasite in the Appendix

    虫垂の寄生虫

    33 歳の女性が腹痛を訴えて受診した.腹腔鏡下虫垂切除術中に,虫垂断端から寄生虫が出てくる様子が確認された(動画で示す).組織学的解析で Enterobius vermicularis(蟯虫)と同定された.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 重篤患者のための家族との面談
    Family Meetings on Behalf of Patients with Serious Illness

    重篤患者のための家族との面談

    家族との効果的な面談では,信頼関係(ラポール)を築いて支援を提供し,患者の医学的状況と予後に関する最新情報を伝え,患者の目標に沿った治療を行うことを確認する.このような面談によって,医療資源をより有効に活用できるようになる.この動画では,家族との効果的な面談の方法を実演する.

REVIEW ARTICLE

  • 注意欠如・多動性障害の薬物療法
    Pharmacologic Treatment of ADHD

    注意欠如・多動性障害(ADHD)の治療には,アンフェタミンとメチルフェニデート,またそれより頻度は低いが非中枢神経刺激薬(アトモキセチン,クロニジン,グアンファシン)が使用される.短期の試験では,QOL 指標よりも不注意と落ち着きのなさが改善されている.

NEJM QUICK TAKE

  • 前立腺癌患者の生存期間を延長させる
    Prolonging Survival in Prostate Cancer

    前立腺癌患者の生存期間を延長させる

    非転移性去勢抵抗性前立腺癌の患者は転移癌に進展するリスクがあり,転移は癌関連症状の発現を伴うことが多い.治療に関連する有害事象を最小限に抑えながら,生存期間を延長させ,症状の発現を遅らせることが治療の重要な目標である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 健康政策と健康の公平性
    Health Policy and Health Equity

    健康政策と健康の公平性

    Michele Evans が,米国において,公共政策が健康の不公平性の悪化に及ぼしている影響について論じている.