- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
July 16, 2020
Vol. 383 No. 3
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
-
脳梗塞または一過性脳虚血発作後のチカグレロルとアスピリンの併用
Ticagrelor and Aspirin after a Stroke or TIA脳梗塞または高リスクの一過性脳虚血発作(TIA)を発症した患者 11,016 例を対象とした試験で,チカグレロルとアスピリンの併用は,30 日以内の脳卒中または死亡の予防に関して,アスピリン単独よりも優れていることが示された.重度の出血はまれであったが,発生頻度は抗血小板薬 2 剤併用群のほうが高かった.
-
関節リウマチの再燃についての RNA による早期の徴候
RNA Early Warning for Rheumatoid Arthritis Flares寛解状態にある関節リウマチ患者の末梢血細胞中の RNA 発現の連続分析では,臨床的再燃に先行し,これを予測する遺伝子発現の変化が示され,そのような再燃を予防するための介入の機会を提供する可能性がある.
-
慢性乾癬に対するロフルミラストクリーム
Roflumilast Cream for Chronic Psoriasisホスホジエステラーゼ 4 阻害薬のクリーム製剤ロフルミラストが,2 種類の濃度で検討された.いずれも,6 週の時点で乾癬病変が消失またはほぼ消失した患者の割合は,プラセボよりも高かった.治療の困難な間擦部もプラセボと比較して改善した.
-
急性腎障害に対する腎代替療法の開始時期
Timing of RRT in Acute Kidney Injury重症患者に腎代替療法を開始するのにもっとも有効な時期は明らかにされていない.この無作為化試験では,早期に開始する戦略に割り付けられた急性腎障害患者は,標準的な戦略に割り付けられた患者と比較して 90 日の時点での死亡リスクは低くなかった.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
-
Covid-19 パンデミック時に早期乳癌が発見された女性
A Woman with Early Breast Cancer during the Covid-19 Pandemic62 歳の女性が,Covid-19 パンデミック中に左乳房に発見された腫瘤の評価を受けた.マンモグラフィで鋸歯状の辺縁を有する腫瘤が認められた.超音波検査では 3.1 cm×1.5 cm×1.2 cm の固形腫瘤が認められ,左腋窩リンパ節に異常を認めなかった.コア針生検が行われ,管理の意思決定がなされた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
-
両側性ウィルムス腫瘍はどこからきた?
Whence Bilateral Wilms’ Tumors?最近の研究で,両側性ウィルムス腫瘍への感受性は,遺伝バリアントではなく,非常に早期の接合後事象がもたらす可能性があることが示されている.これは,治療戦略とサーベイランスに影響をもつ知見である.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
-
印環状の形質細胞
Signet-Ring Plasma Cells72 歳の男性が,多発性骨髄腫の管理のため血液専門科に紹介された.骨髄生検での形質細胞の割合は 70%で,一部の細胞で印環細胞の形態学的特徴が認められた.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
-
急性期脳梗塞
Acute Ischemic Stroke急性期脳梗塞患者に対する治療は,発症からの経過時間,神経障害の重症度,神経画像所見によって決定される.一部の患者で推奨される治療は,アルテプラーゼ静注による血栓溶解療法と機械的血栓除去術である.
NEJM QUICK TAKE
-
脳梗塞または一過性脳虚血発作後の転帰を改善する
Improving Outcomes after Stroke or TIA急性期脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)後の最初の数ヵ月間に脳梗塞が起こるリスクは約 5~10%である.リスクを低減させるためにアスピリンが使用されている.アスピリンと他の薬剤の併用試験では,有望な結果が得られた患者もいれば,得られなかった患者もいた.チカグレロルに関する新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
-
制度的人種差別に対処する
Addressing Institutional RacismMichelle Morse が,診療における不平等に立ち向かうための社会運動に大学病院がどのように関わることができるかについて論じている.