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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 5, 2021
Vol. 385 No. 6

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • トランスサイレチンアミロイドーシスにおける CRISPR-Cas9 による TTR 破壊
    CRISPR-Cas9 Disruption of TTR in Transthyretin Amyloidosis

    トランスサイレチンアミロイドーシス患者を対象に,Cas9 蛋白の mRNA と TTR を標的とする単一ガイド RNA を含む脂質ナノ粒子を,肝細胞への挿入とトランスサイレチン産生の遮断を目的として注入した.0.3 mg/kg での単回静脈内注入によりトランスサイレチン濃度が 87%低下し,軽度の有害事象のみが発現した.

  • 2 型糖尿病に対するチルゼパチドとセマグルチドとの比較
    Tirzepatide versus Semaglutide for Type 2 Diabetes

    40 週間の非盲検第 3 相試験で,2 型糖尿病治療薬として開発中のグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドおよびグルカゴン様ペプチド 1(GLP-1)のデュアル受容体作動薬であるチルゼパチドの,週 1 回投与の有効性と安全性が評価された.ベースライン時から 40 週の時点までの糖化ヘモグロビン値の変化量の平均に関して,チルゼパチドのセマグルチドに対する非劣性と優越性が示された.

  • 心原性ショックに対するミルリノンとドブタミンとの比較
    Milrinone or Dobutamine for Cardiogenic Shock

    心原性ショックを呈する患者が,心筋収縮力を増強させるためにミルリノンを投与する群とドブタミンを投与する群に割り付けられた.全死因院内死亡,心血管イベント,腎イベントから成る主要複合転帰に 2 群間で有意差は認められなかった.

  • 腰椎すべり症に対する除圧術と固定術との比較
    Decompression versus Fusion for Lumbar Spondylolisthesis

    ノルウェーで行われた無作為化試験において,疼痛と障害の尺度で 2 年間に 30%の低下が認められた患者の割合に関して,除圧術単独は -15 パーセントポイントの非劣性マージンを満たし,除圧術とインストゥルメンテーションを用いた固定術との併用に対して非劣性であった.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 疼痛を伴い紫色になる
    Turning Purple with Pain

    32 歳の女性が,10 年前から間欠的に続く重度でびまん性の腹痛を訴えて受診した.腹痛は 1~2 ヵ月おきに発生し,通常数日間続き,明らかな原因はなかった.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 好中球性エクリン汗腺炎
    Neutrophilic Eccrine Hidradenitis

    好中球性エクリン汗腺炎

    42 歳の女性が,急性単球性白血病に対する寛解導入療法を受けるために入院した.入院 10 日目に,両頬部,前額部,頸部に浮腫性の紅斑が出現した.生検が行われ,好中球性エクリン汗腺炎の診断がなされた.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • 加齢黄斑変性
    Age-Related Macular Degeneration

    加齢黄斑変性

    加齢黄斑変性(AMD)は,先進国の高齢者における失明の主な原因である.微量栄養素補給により後期 AMD への進行のリスクが減少する可能性がある.新生血管を伴う AMD に対する抗血管内皮増殖因子による薬物療法で失明が減少する.

NEJM QUICK TAKE

  • トランスサイレチンアミロイドーシスを治療する
    Treating Transthyretin Amyloidosis

    トランスサイレチンアミロイドーシスを治療する

    トランスサイレチンアミロイドーシスは,ATTR アミロイドーシスとも呼ばれ,ミスフォールドしたトランスサイレチン(TTR)蛋白が組織,主に神経と心臓に蓄積することを特徴とする,生命を脅かす疾患である.in vivo 遺伝子編集治療薬の NTLA-2001 は,血清中の TTR 濃度を低下させることにより ATTR アミロイドーシスを治療するようデザインされている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 2 型糖尿病における血糖コントロール
    Glucose Control in Type 2 Diabetes

    すべての 2 型糖尿病患者がメトホルミンで適切な血糖コントロールが得られるわけではない.チルゼパチドは,グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドとグルカゴン様ペプチド 1(GLP-1)の受容体作動薬を組み合わせた注射剤である.FDA に承認されている選択的 GLP-1 受容体作動薬セマグルチドと比較してどうかは明らかではない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 公衆衛生と医学を再概念化する
    Reconceptualizing Public Health and Medicine

    公衆衛生と医学を再概念化する

    David Hunter が,公衆衛生と臨床医学の相補的アプローチと成果について論じている.