The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

April 22, 1999 Vol. 340 No. 16

高血圧症の有病率,降圧療法,および左室肥大の 1950 ~ 89 年の動向
Trends in the Prevalence of Hypertension, Antihypertensive Therapy, and Left Ventricular Hypertrophy from 1950 to 1989

A. MOSTERD AND OTHERS

背景

高血圧症の男性および女性は,とくに左室肥大が存在する場合には,心血管系疾患のリスクが上昇している.そこで,われわれは,降圧薬の使用の経時的傾向を調査し,降圧薬の使用,高血圧の有病率,および心電図で左室肥大の所見の存在との関係を検討した.

方 法

1950 ~ 89 年に,フラミンガム心疾患研究(the Framingham Heart Study)の参加者のうちで 45 ~ 74 歳までの合計 10,333 例が,総数で 51,756 件の検査を受けた.血圧と降圧薬の使用に関するデータを入手し,左室肥大の評価は心電図で行った.経時的傾向は,一般化推定方程式(GEE)の手法を用いて検定した.

結 果

1950 年~ 89 年までに,降圧薬の使用率は,男性では 2.3%から 24.6%に,女性では 5.7%から 27.7%に上昇した.160 mmHg 以上の収縮期血圧または 100 mmHg 以上の拡張期血圧の年齢調整有病率は,男性では 18.5%から 9.2%に,女性では 28.0%から 7.7%に低下した.この血圧の低下とともに,左室肥大の心電図所見の年齢調整有病率も,男性では 4.5%から 2.5%に,女性では 3.6%から 1.1%に低下した.

結 論

今回の結果は,一般集団において,降圧薬の使用の増加によって,高血圧を有する割合が低下するとともに,左室肥大の割合も低下するという結果になっているという意見を支持している.ここでの観察は,1960 年代後期から観察されている心血管系疾患による死亡率のかなりの低下を一部説明するものかもしれない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1221 - 7. )