The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

April 22, 1999 Vol. 340 No. 16

汚染された抗 D 免疫グロブリンによって感染した C 型肝炎の臨床転帰
Clinical Outocomes after Hepatitis C Infection from Contaminated Anti - D Immune Globulin

E. KENNY-WALSH

背景

1994 年の 2 月に,アイルランドで Rh 不適合による同種免疫を防ぐ目的で 1977 ~ 78 年に使用された抗 D 免疫グロブリンが,1 人の感染ドナーの C 型肝炎ウイルス(HCV)で汚染されていることがわかった.

方 法

そして,1994 年の 3 月に,1970 ~ 94 年に抗 D 免疫グロブリンの投与を受けたすべての女性を対象に,国家によるスクリーニングプログラムが開始された.この調査の開始時にスクリーニングを受けた 62,667 例の女性のうち,704 例(1.1%)に HCV 感染症の既往あるいは現病があり,これらの 704 例のうちの 390 例(55%)は,逆転写ポリメラーゼ鎖反応(RT - PCR)法による血清 HCV - RNA 検査が陽性であった.この 390 例のすべての女性に対して,臨床評価と治療のための紹介状が渡された.われわれは,これらの 390 例の女性のうちの 376 例(96%)の評価を行った; 残りの 14 例は,指定治療施設の一つには現れなかった.

結 果

評価した 376 例の女性のスクリーニング時の平均(± SD)年齢は 45 ± 6 歳であった.これらの女性は約 17 年間にわたって C 型肝炎に感染していた.合計で 304 例(81%)の女性から症状の訴えがあり,もっとも多かった症状は倦怠感であった(248 例[ 66%]).アラニントランスフェラーゼ(ALT)の血清中濃度は,371 例中の 176 例(47%)に軽度の上昇(40 ~ 99 U / L)が認められ,31 例(8%)が 100 U / L 以上の濃度であった.肝生検によって,363 例中の 356 例(98%)に炎症があることが示された; そのほとんどは,軽度(41%)または中等度(52%)の炎症であった.生検を行った 363 例のうちの 186 例(51%)の生検標本に線維症の所見も認められたが,肝硬変はそのうちの 7 例(2%)で疑われたり確定していただけであった.これら 7 例のうちの 2 例は,過剰飲酒を報告していた.

結 論

HCV に汚染された抗 D 免疫グロブリンの投与を受けて 17 年間にわたって HCV に感染していた女性のほとんどに,肝生検による軽度または中等度の肝臓の炎症所見が認められ,その約半数に線維症,2%に疑いまたは明らかな肝硬変があった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1228 - 33. )