The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

April 22, 1999 Vol. 340 No. 16

ホジキン病と非ホジンキンリンパ腫を合併した 2 例の患者に共通した胚中心 B 細胞の前駆体の同定
Identification of Common Germinal-Center B-Cell Precursors in Two Patients with Both Hodgkin'S Disease and Non-Hodgkin'S Lymphoma

A. BRÄUNINGER AND OTHERS

背景

ホジキン病と非ホジンキン B 細胞性リンパ腫は,ときに,1 人の患者に発症することがある.この二つの病型のリンパ腫に共通する前駆細胞を同定することによって,リード シュテルンベルグ細胞が B 細胞由来のものであることの決定的な証拠が示されるだろう.

方 法

2 例の患者から摘出したリンパ腫を調べた.これらの患者の 1 例は混合型のリンパ腫で(同一リンパ節に典型的なホジンキン病と濾胞性リンパ腫がある),もう1 例は典型的なホジンキン病が続発した T 細胞に富んだ B 細胞性リンパ腫であった.リードシュテルンベルグ細胞と非ホジンキンリンパ腫の細胞は,マイクロマニピュレーターを用いて,凍結切片から単細胞に分離した.再配列した重鎖(H 鎖)ならびに軽鎖(L 鎖)の免疫グロブリン可変部遺伝子(V 遺伝子)を,ゲノム DNA からポリメラーゼ鎖反応(PCR)で増幅して,その配列を決定した.

結 果

どちらの患者においても,リードシュテルンベルング細胞は,非ホジキンリンパ腫の B 細胞とクローナルな関係にあった.V 遺伝子が体細胞突然変異を伝達していた(胚中心 B 細胞とその由来細胞の一つの特徴).どちらの患者においても,体細胞突然変異には,リードシュテルンベルグ細胞と非ホジキンリンパ腫の細胞が共有する突然変異があり,また一方のタイプの細胞あるいは他方のタイプの細胞にしか認められなかった突然変異もあった.

結 論

典型的なホジキン病と非ホジキン B 細胞性リンパ腫を合併した 2 例の患者において,二つのリンパ腫に共通した,おそらく胚中心 B 細胞と考えられる B 細胞の前駆体を同定した.この結果は,二つの病型のリンパ腫に共通の形質転換と個別の形質転換の両方が起ることを示唆するものであり,典型的なホジキン病のリードシュテルンベルグ細胞が B 細胞に由来したものであることの証拠を提供している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1239 - 47. )