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May 13, 1999 Vol. 340 No. 19

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葉酸塩と総ホモシステインの血漿濃度に対する葉酸強化の効果
The Effect of Folic Acid Fortification on Plasma Folate and Total Homocysteine Concentrations

P.F. JACQUES, J. SELHUB, A.G. BOSTOM, P.W.F. WILSON, AND I.H. ROSENBERG

背景

1996 年に,米国食品医薬品局(FDA)は,新生児における神経管欠損症のリスクを低下させることを目的として,すべての高栄養価穀物製品に葉酸を強化することを求める規則をだした.この強化(140 μg/100 g)は 1996 年から開始され,これに対する対応は 1997 年半ばまでに基本的には完了した.

方 法

葉酸を強化したことによる葉酸塩の状態に対する効果を評価するために,フラミンガム子孫研究(Framingham Offspring Study)のコホートにおける 5 回目の検査(1991 年 1 月~1994 年 12 月)の血液検体を研究開始時のベースライン値として,また 6 回目の検査(1995 年 1 月~1998 年 8 月)検体を追跡調査値として用いて,血漿中の葉酸塩と総ホモシステイン(葉酸塩の状態の高感度マーカー)の濃度を測定した.このコホートを,追跡調査の検査日によって二つの群にわけた:すなわち,研究群の構成対象者は強化後(1997 年 9 月~1998 年 3 月)に検査を受けた 350 例,対照群の構成対象者は強化前(1995 年 1 月~1996 年 9 月)に検査を受けた 756 例であった.

結 果

研究群でビタミン剤を服用していなかった対象者では,葉酸塩の平均濃度は,研究開始の来院時には 4.6 ng/mL であったのが追跡調査の来院時には 10.0 ng/mL へと上昇し(11 nmol/L から 23 nmol/L への上昇)(p<0.001),低葉酸塩濃度(< 3 ng/mL [7 nmol/L])の有病率は 22.0%から 1.7%に減少した(p<0.001).総ホモシステインの平均濃度は,この期間に 10.1 μmol/L から 9.4 μmol/L に低下し,高ホモシステイン濃度(>13 μmol/L)の有病率は 18.7%から 9.8%に減少した(p<0.001).対照群では,葉酸塩またはホモシステインの濃度に統計学的に有意な変化は認められなかった.

結 論

高栄養価穀物製品における葉酸の強化は,中高年の成人集団における葉酸塩の状態の実質的な改善と関連していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1449 - 54. )