The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

May 13, 1999 Vol. 340 No. 19

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

脂肪吸引術に関連した死亡
Deaths Related to Liposuction

R.B. RAO, S.F. ELY, AND R.S. HOFFMAN

背景

過剰脂肪吸引術の手技は,リドカインを含んだ溶液を皮下注入したあと,微小カニューレから脂肪を吸引する.リドカインの推奨用量は体重当り 55 mg/kgという高用量であるが,安全性のデータはほとんど入手されていない.過剰脂肪吸引術に関連した有害事象の報告は強制されているものではないので,合併症と死亡の発生率はわかっていない.

方 法

1993~98 年に,ニューヨーク市検視局(Office of Chief Medical Examiner)に報告された 48,527 件の死亡から,5 件の過剰脂肪吸引術後の死亡を確認した.これらに共通した寄与因子を同定するために,患者の医療記録と剖検の検査結果の再検討を行った.

結 果

この 5 例には,10~40 mg/kg のリドカインが投与されていた.ミダゾラムのような他の薬剤も投与されていた.このうち 3 例は,手術中の急激な血圧低下と除脈の結果として死亡していたが,死因については明確に特定されていなかった.この 3 例のうち 2 例は,死亡後のリドカインの血中濃度がそれぞれ 5.2 mg/L,2 mg/L であった.残りの 1 例は体液の過負荷による死亡で,もう 1 例は下肢の過剰脂肪吸引術後の肺血栓塞栓症を伴った深部腓静脈血栓症による死亡であった.

結 論

過剰脂肪吸引術は死にいたることがあるが,それは,一つには,おそらくリドカインの毒性やリドカインに関連した薬物相互作用のためであろう.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1471 - 75. )