早期乳癌の女性による代替医療の利用
Use of Alternative Medicine by Women with Early-Stage Breast Cancer
H.J. BURSTEIN, S. GELBER, E. GUADAGNOLI, AND J.C. WEEKS
1993 年 9 月~1995 年 9 月までに早期乳癌と診断されて標準療法を受けた女性による代替医療の利用について分析を行った.
マサチューセッツ州全域で実施した女性の癌治療の選択に関するコホート研究の参加者の中から,新規に早期乳癌の診断を受けた患者 480 例からなるコホート集団を設定した.そして,代替医療,通常の治療,および健康に関連した QOL についての調査を行った.
乳癌の手術後における代替医療の新規の利用は,一般的に受け入れられた(研究対象女性の 28.1%からの報告);臨床および社会人口学的変数を補正すると,代替医療の新規利用は標準的治療の選択と関連しなかった.乳癌の診断を受ける前に代替医療を利用していたのは,これらの女性全体の 10.6%であった.QOL については,術後に代替医療を利用し始めた女性が,代替医療を利用したことがない女性よりも不良な QOL を報告していた.精神衛生スコアは,ベースラインでは,代替医療の利用を決定した女性とそうでなかった女性で同程度であったが,術後 3 ヵ月目には,代替医療の利用と,抑うつ,癌の再発に対する不安,精神衛生および性的満足の低スコア,および身体症状の程度の重症化だけでなく頻度の増加との独立的な関連性が認められた.術後 1 年目には,これらの女性を層別検討したすべての群で QOL の改善が報告されていた.
早期乳癌と新たに診断されて標準的治療を受けた患者において,代替医療の新規の利用は,心理社会学的苦悩の増大と QOL の悪化の一つの指標であった.