The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

December 23, 1999 Vol. 341 No. 26

プライマリ・ケア医によって提供される医療の範囲の変化
Changes in the Scope of Care Provided by Primary Care Physicians

R.F. ST. PETER, M.C. REED, P. KEMPER, AND D. BLUMENTHAL

背景

医療費の抑制および医療の質の向上を目指した戦略は,しばしば,プライマリ・ケア医が患者に提供する医療サービスの範囲や専門医療に紹介する患者の選択や患者を紹介する疾病経過の時期に影響を及ぼすような決定に変換される.したがって,本研究では,プライマリ・ケア医によって提供されている医療の範囲の変化に対する医師の評価,およびプライマリ・ケア医に提供が期待されている医療の範囲の妥当性に対する医師の評価に焦点を当てた.

方 法

本研究では,1996 ~ 97 年度市中追跡研究に関する医師調査(the 1996-1997 Community Tracking Study Physician Survey)で得られたデータを解析した.北米大陸の米国で患者に対して実際に医療行為を行っている医師で,連邦政府の職員ではない医師の代表的な無作為標本から抽出した医師,12,385 例(この値は回答率 65%に相当する)に電話による質問調査を行った.今回の解析は,最低 2 年以上の診療経験のある 7,015 例のプライマリ・ケア医と 5,092 例の各診療科の専門医から得られた回答に基づいて行った.

結 果

プライマリ・ケア医の 30%と各科専門医の 50%が,過去 2 年のあいだに,プライマリ・ケア医によって提供される医療の範囲が増大したと回答していた.また,プライマリ・ケア医の 24%と各科専門医の 38%が,プライマリ・ケア医によって提供されることが期待されている医療の範囲は,本来提供すべき範囲よりも広くなったと回答していた.多変量解析によればプライマリ・ケア医の中でも,一般医や家庭医以外の者(すなわち,小児科医および一般内科医),1 人または 2 人で診療を行っている者,出来高払いで収入を得ている者,および患者ケアの振り分け役を担当する者においてプライマリ・ケア医に期待されいる医療提供の範囲が本来提供すべき範囲よりも広くなったと回答する傾向が有意に高かった.

結 論

ほぼ 4 人に 1 人のプライマリ・ケア医が,プライマリ・ケア医によって提供されることが期待されている医療の範囲は本来提供すべき範囲よりも広くなったと回答したという結果は,保健医療の提供における変化の潜在的影響についての問題を現したものであった.本研究で,マネージドケアの財政的および行政的側面と医師が患者に提供する医療の範囲についての医師側の懸念とのあいだに認められた関連は,注意深く検討する価値がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1980 - 5. )