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July 8, 1999 Vol. 341 No. 2

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安定型冠動脈疾患に対する積極的脂質低下療法と血管形成術の比較
Aggressive Lipid-Lowering Therapy Compared with Angioplasty in Stable Coronary Artery Disease

B. PITT AND OTHERS

背景

経皮的冠動脈血管再生術は,虚血性心疾患と安定狭心症の患者の症状および運動能の改善のために広く施行されている.本試験では,虚血性イベントの発生率を低下させることを目的とした経皮的冠動脈血管再生術と脂質低下療法との比較を行った.

方 法

経皮的血管再生術に紹介されてきた患者のうち,安定型冠動脈疾患で,比較的正常な左室機能を有し,無症状または軽度から中等度の狭心症があり,低比重リポタンパク(LDL)コレステロールが 115 mg/dL(3.0 mmol/L)以上であった 341 例の患者を対象として試験を行った.これらの患者を,アトルバスタチン(Atorvastatin)の 1 日 80 mg の薬物治療(164 例),または紹介された経皮的血管再生術(血管形成術)と術後の通常治療(177 例)に無作為に割り付けた.この術後の通常治療には脂質低下療法が含まれていてもよいことにした.追跡調査期間は 18 ヵ月間であった.

結 果

虚血性のイベントは,アトルバスタチンの積極的な脂質低下療法を受けた患者(血清 LDL の平均濃度は 46%低下し,77 mg/dL[ 2.0 mmol/L ]になった)では 22 例(13%)に発症したのに対し,血管形成術を受けた患者(血清 LDL の平均濃度は 18%低下し,119 mg/dL [ 3.0 mmol/L ]になった)では 37 例(21%)に発症した.したがって,18 ヵ月目までの虚血性イベントの発症率は,アトルバスタチン群が 36%低かった(p = 0.048,この p 値は中間解析による有意水準の補正を行うと有意な値ではなかった).この虚血性イベントの発症率の低下は,血管形成術と冠動脈バイパス手術の施行数,および狭心症の悪化による入院件数が少なかったためであった.また,アトルバスタチンの治療を受けた患者では,血管形成術と術後の通常治療を受けた患者と比較して,虚血性イベントの初発までの期間が有意に延長していた(p = 0.03).

結 論

安定型冠動脈疾患の低リスク患者に対しては,虚血性イベントの発症率を低下させる上で,積極的な脂質低下療法が,血管形成術および術後の通常治療と少なくとも同程度の有効性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 70 - 6. )