The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 11, 2009 Vol. 360 No. 24

2 型糖尿病と冠動脈疾患の治療に関する無作為化試験
A Randomized Trial of Therapies for Type 2 Diabetes and Coronary Artery Disease

The BARI 2D Study Group

背景

2 型糖尿病と安定虚血性心疾患を合併した患者に対する至適治療法は確立されていない.

方 法

2 型糖尿病と心疾患を合併する患者 2,368 例を,心疾患に対し早期の血行再建術と強化薬物療法を併用する群と,強化薬物療法のみを行う群のいずれかに無作為に割り付け,さらにインスリン抵抗性改善薬療法群とインスリン療法群のいずれかに割り付けた.主要エンドポイントは,死亡率,および死亡・心筋梗塞・脳卒中(主要心血管イベント)の複合とした.無作為化は,より適切な血行再建術が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)か冠動脈バイパス術(CABG)かで層別化(グループ分け)した後に行った.

結 果

5 年生存率に,血行再建術群(88.3%)と薬物療法群(87.8%,P=0.97),インスリン抵抗性改善薬療法群(88.2%)とインスリン療法群(87.9%,P=0.89)とで,有意差はみられなかった.主要心血管イベントの無発生率についても群間で有意差はなく,血行再建術群 77.2%,薬物治療群 75.9%(P=0.70),およびインスリン抵抗性改善薬療法群 77.7%,インスリン療法群 75.4%(P=0.13)であった.PCI グループでは,主要エンドポイントに血行再建術群と薬物療法群とで有意差はなかった.CABG グループにおける主要心血管イベントの発生率は,血行再建術群(22.4%)のほうが薬物療法群(30.5%)よりも有意に低かった(P=0.01,グループ分けと治療割付けの相互作用について P=0.002).有害事象は治療群間で全体的に同等であったが,重度の低血糖は,インスリン療法群(9.2%)でインスリン抵抗性改善薬療法群(5.9%)よりも高頻度にみられた(P=0.003).

結 論

全体として,早期に血行再建術を施行した患者と薬物療法を行った患者,およびインスリン抵抗性改善薬療法を行った患者とインスリン療法を行った患者のあいだで,死亡率および主要心血管イベント発生率に有意差は認められなかった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00006305)

本論文(10.1056/NEJMoa0805796)は,2009 年 6 月 7 日に NEJM.org.で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 2503 - 15. )