The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 11, 2009 Vol. 360 No. 24

妊娠第 1 期におけるメトクロプラミド投与の安全性
The Safety of Metoclopramide Use in the First Trimester of Pregnancy

I. Matok and Others

背景

メトクロプラミドは,妊娠女性に対する制吐薬の第一選択薬としてさまざまな国で使用されているが,妊娠期の安全性に関する情報は十分ではない.

方 法

イスラエル南部地区でクラリット健康保険(Clalit Health Services)に加入しているすべての女性に対し,1998 年 1 月 1 日~2007 年 3 月 31 日に行われた投薬に関するデータベースと,同時期にその地区の病院に入院した母子の入院記録のデータベースとを組み合わせ,妊娠第 1 期のメトクロプラミド投与の安全性を調査した.妊娠期のメトクロプラミド投与と胎児の有害転帰との関連について,母親の出産経験,年齢,民族,糖尿病の有無,喫煙状況,周産期の発熱の有無で補正して評価した.

結 果

調査期間中の単胎児出生数は 113,612 人であった.クラリット健康保険に加入している女性の児は 81,703 人(71.9%)で,このうち 3,458 人(4.2%)は妊娠第 1 期中にメトクロプラミドに曝露されていた.メトクロプラミドへの曝露は,非曝露と比較して,主な先天性奇形(それぞれ 5.3%と 4.9%,オッズ比 1.04,95%信頼区間 [CI] 0.89~1.21),低出生体重(8.5%と 8.3%,オッズ比 1.01,95% CI 0.89~1.14),早期産(6.3%と 5.9%,オッズ比 1.15,95% CI 0.99~1.34),周産期死亡(1.5%と 2.2%,オッズ比 0.87,95% CI 0.55~1.38)の各リスクの有意な増加とは関連していなかった.曝露された胎児と曝露されていない胎児の治療的流産を解析に加えても,結果に著しい変化はみられなかった.

結 論

この大規模乳児コホートにおいて,妊娠第 1 期のメトクロプラミドへの曝露は,複数の有害転帰のいずれについても,リスクの有意な増加とは関連していなかった.これらの結果は,妊娠中の悪心・嘔吐を軽減するために母体にメトクロプラミドを投与した場合の,胎児に対する安全性にさらなる保証を与えるものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 2528 - 35. )