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December 3, 2009 Vol. 361 No. 23

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ボリューム CT で検出された肺結節の管理
Management of Lung Nodules Detected by Volume CT Scanning

R.J. van Klaveren and Others

背景

肺癌リスクの高い被験者を対象とした肺癌のスクリーニング試験でマルチスライス CT が使用されるようになり,CT で非石灰化肺結節が発見された場合に医師が最良の行動方針を決めるうえでの問題が浮き彫りになった.

方 法

肺癌スクリーニングの無作為化試験において,7,557 例の参加者を対象に,1 年目(1 回目),2 年目(2 回目),4 年目(3 回目)に CT スクリーニングを実施した.ソフトウェアを用いて,体積または体積倍加時間に基づく非石灰化肺結節の評価を行った.肺癌の増大は,2 回の検査間に体積が 25%以上増加することと定義した.1 回目の検査の判定は,肺結節の体積が 50 mm3 未満であるか,肺結節の体積が 50~500 mm3 でありかつ 3 ヵ月後の追跡 CT 検査時までに増大がみられなかったか,または増大がみられても体積倍加時間が 400 日以上であった場合に陰性とした.

結 果

1 回目では参加者の 2.6%,2 回目では 1.8%が陽性であった.1 回目のスクリーニングの感度は 94.6%(95%信頼区間 [CI] 86.5~98.0)であり,陰性適中率は 99.9%(95% CI 99.9~100.0)であった.1 回目が陰性であった 7,361 例では,2 年間の追跡調査で 20 個の肺癌が検出された.

結 論

肺癌リスクの高い被験者において,3 回の CT 検査で体積または体積倍加時間に基づき非石灰化肺結節の評価を行った場合,1 回目が陰性でそれ以降に肺癌が発見される確率は,1 年後で 1/1,000,2 年後で 3/1,000 であった.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN63545820)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 2221 - 9. )