The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 18, 2019 Vol. 380 No. 16

治療中断後の HIV-1 量のリバウンドに対する抗 CD4 抗体 UB-421 の効果
Effect of Anti-CD4 Antibody UB-421 on HIV-1 Rebound after Treatment Interruption

C.-Y. Wang and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者に対する HIV 特異的な広域中和抗体の単剤投与は,抗レトロウイルス療法(ART)中断中に抗体耐性ウイルスが出現する原因となる.ヒト CD4 陽性 T 細胞のウイルス結合部位を遮断する抗体である UB-421 の単剤療法は,HIV 感染者において,HIV 治癒を評価するための分析を目的とした治療中断後に耐性を誘導することなくウイルス学的抑制を維持できる可能性がある.

方 法

分析を目的とした治療中断が予定されていた HIV 感染者を対象として,UB-421 単剤療法の安全性,薬物動態,抗ウイルス活性を評価する非無作為化非盲検第 2 相臨床試験を行った.スクリーニング受診時,すべての参加者で血漿ウイルス量が検出不可能(HIV RNA 量 <20 コピー/mL)であった.ART 中断後,参加者は UB-421 を 10 mg/kg 体重で週に 1 回(コホート 1),または 25 mg/kg 体重で 2 週に 1 回(コホート 2),計 8 回の静脈内投与を受けた.主要評価項目は,ウイルス量のリバウンド(≧400 コピー/mL)までの期間とした.

結 果

29 例を登録し,コホート 1 に 14 例,コホート 2 に 15 例が割り付けられた.UB-421 の投与により,分析を目的とした治療中断中に,全例でウイルス学的抑制(<20 コピー/mL)が維持され(2 回目から 9 回目までの検査受診時の測定の 94.5%),間欠的なウイルス量の急増(範囲 21~142 コピー/mL)が 8 例(28%)で認められた.400 コピー/mL を超える血漿ウイルス量のリバウンドが生じた参加者はいなかった.試験期間を通じて CD4 陽性 T 細胞数は安定していた.皮疹は,ほとんどがグレード 1 であったが,頻度の高い一過性の有害事象であり,1 例が皮疹により試験薬を中止した.UB-421 単剤療法中に,CD4 陽性制御性 T 細胞集団の減少が認められた.

結 論

UB-421 により,ART 中断中の参加者のウイルス学的抑制が維持された(試験の第 8~16 週の期間).1 例が皮疹により治療を中止した.(ユナイテッド バイオメディカル社ほかから研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02369146)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 1535 - 45. )