The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 6, 2019 Vol. 380 No. 23

2 型糖尿病患者における強化血糖コントロール ― 15 年間の追跡調査
Intensive Glucose Control in Patients with Type 2 Diabetes — 15-Year Follow-up

P.D. Reaven and Others

背景

われわれは以前に,2 型糖尿病の退役軍人 1,791 例において中央値 5.6 年の強化血糖降下療法を標準療法と比較した試験で,合計で 10 年間の介入と観察による追跡を行った結果,主要心血管イベントのリスクが有意に(17%)低下したことを報告した.今回,15 年間全体の追跡結果を報告する.

方 法

最初の臨床試験の終了後,中央のデータベースを用いて,登録された参加者(完全コホート)を観察により追跡し,心血管イベント,入院,死亡を同定した.参加者に,調査とカルテレビューによりさらにデータを提供することに同意するかどうかを尋ねた(調査コホート).事前に規定した主要転帰は,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,うっ血性心不全の新規発症または悪化,虚血性壊疽に対する肢切断,心血管死を含む主要心血管イベントの複合とした.全死因死亡を,事前に規定した副次的転帰とした.

結 果

完全コホートは 1,655 例,調査コホートは 1,391 例であった.試験(当初 1,791 例を登録)のあいだ,強化療法群(892 例)と標準療法群(899 例)の糖化ヘモグロビン値曲線には平均 1.5 パーセントポイントの差があったが,試験終了後 3 年の時点までに,0.2~0.3 パーセントポイントに減少した.15 年間の追跡期間(実治療+試験後の観察)では,強化療法群における主要心血管イベントと死亡のリスクは,標準療法群と比較して低くなかった(主要転帰のハザード比 0.91,95%信頼区間 [CI] 0.78~1.06,P=0.23;死亡のハザード比 1.02,95% CI 0.88~1.18).主要心血管疾患のリスクは,糖化ヘモグロビン値曲線の分離が持続しているあいだは低かったが(ハザード比 0.83,95% CI 0.70~0.99),糖化ヘモグロビン値が等しくなった後はこの利益は持続しなかった(ハザード比 1.26,95% CI 0.90~1.75).

結 論

強化血糖コントロールに無作為に割り付けられ,5.6 年間治療を受けた 2 型糖尿病の参加者では,標準療法を受けた参加者と比較して,糖化ヘモグロビン値曲線の分離が持続している期間のみ心血管イベントのリスクが低かった.強化血糖コントロールによる遺産効果(legacy ef fect)や死亡率への利益を示す知見は認められなかった.(米国退役軍人省共同研究プログラムから研究助成を受けた.VADT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00032487)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 2215 - 24. )