The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 3, 2019 Vol. 380 No. 1

海洋生物由来の n–3 脂肪酸と心血管疾患および癌の予防
Marine n–3 Fatty Acids and Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer

J.E. Manson and Others

背景

海洋生物由来の n–3(ω3 とも呼ばれる)脂肪酸は,複数の観察研究で,心血管疾患と癌のリスク低下との関連が示されている.これらの評価項目のリスクが標準である一般集団において,n–3 脂肪酸のサプリメント摂取がそのような効果をもたらすかどうかは不明である.

方 法

米国の 50 歳以上の男性と 55 歳以上の女性を対象に,心血管疾患と癌の一次予防におけるビタミン D3 (2,000 IU/日)と海洋生物由来の n–3 脂肪酸(1 g/日)を評価する 2×2 要因デザインの無作為化プラセボ対照試験を行った.主要エンドポイントは,主要心血管イベント(心筋梗塞,脳卒中,心血管死亡の複合)と,すべての浸潤癌とした.副次的エンドポイントは,主要心血管エンドポイントの各項目,主要心血管イベント+冠血行再建(心血管イベントの拡大複合エンドポイント),部位別癌,癌死などとした.安全性も評価した.本稿では,n–3 脂肪酸とプラセボを比較した結果を報告する.

結 果

黒人 5,106 人を含む計 25,871 人の参加者が無作為化された.追跡期間中央値 5.3 年間に,主要心血管イベントは n–3 群の 386 人とプラセボ群の 419 人に発生した(ハザード比 0.92,95%信頼区間 [CI] 0.80~1.06,P=0.24).浸潤癌は n–3 群の 820 人とプラセボ群の 797 人で診断された(ハザード比 1.03,95% CI 0.93~1.13,P=0.56).主な副次的エンドポイントの解析において,ハザード比は,心血管イベントの拡大複合エンドポイントが 0.93(95% CI 0.82~1.04),心筋梗塞全体が 0.72(95% CI 0.59~0.90),脳卒中全体が 1.04(95% CI 0.83~1.31),心血管死亡が 0.96(95% CI 0.76~1.21),癌死(341 例)が 0.97(95% CI 0.79~1.20)であった.全死因死亡(全体で 978 例)の解析では,ハザード比は 1.02(95% CI 0.90~1.15)であった.出血やその他の重篤な有害事象の超過リスクは認められなかった.

結 論

n–3 脂肪酸のサプリメント摂取により,プラセボと比較して,主要心血管イベントや癌の発生率は低くならなかった.(米国国立衛生研究所ほかから研究助成を受けた.VITAL 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01169259)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 23 - 32. )