The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 21, 2019 Vol. 380 No. 8

複雑性尿路感染症に対する 1 日 1 回のプラゾマイシン
Once-Daily Plazomicin for Complicated Urinary Tract Infections

F.M.E. Wagenlehner and Others

背景

グラム陰性尿路病原菌における多剤耐性菌が増加し,重篤な感染症に対する新しい治療が必要になっている.プラゾマイシン(plazomicin)は,多剤耐性(カルバペネム耐性を含む)腸内細菌科細菌に対して殺菌活性を有するアミノグリコシド系薬である.

方 法

急性腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症(UTI)患者 609 例を,1:1 の割合でプラゾマイシンを静脈内投与する群(15 mg/kg 体重を 1 日 1 回)とメロペネムを静脈内投与する群(1 g を 8 時間ごと)に無作為に割り付け,静脈内投与を 4 日以上行ったあと経口でのステップダウンを選択できる計 7~10 日の治療を行った.主要目的は,急性腎盂腎炎を含む複雑性 UTI の治療においてプラゾマイシンのメロペネムに対する非劣性を示すこととし,非劣性マージンを 15 パーセントポイントとした.主要評価項目は,微生物学的修正 intention-to-treat 集団における,5 日の時点と治癒判定受診の時点(治療開始から 15~19 日後)の複合治癒(臨床的治癒と微生物学的除菌)とした.

結 果

主要有効性評価項目に関して,プラゾマイシンはメロペネムに対する非劣性を示した.5 日の時点で,複合治癒は,プラゾマイシン群の 88.0%(191 例中 168 例),メロペネム群の 91.4%(197 例中 180 例)で観察された(差 -3.4 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -10.0~3.1).治癒判定受診の時点で,複合治癒は,それぞれ 81.7%(191 例中 156 例)と 70.1%(197 例中 138 例)で観察された(差 11.6 パーセントポイント,95% CI 2.7~20.3).治癒判定受診の時点で,プラゾマイシン群のほうがメロペネム群よりも,アミノグリコシド系薬に感受性を示さない腸内細菌科細菌の除菌(78.8% 対 68.6%),基質特異性拡張型βラクタマーゼを産生する腸内細菌科細菌の除菌(82.4% 対 75.0%)などの微生物学的除菌が認められた患者の割合が高かった.その後の追跡(治療開始から 24~32 日後)では,プラゾマイシン群のほうがメロペネム群よりも,微生物学的再発(3.7% 対 8.1%)や臨床的再発(1.6% 対 7.1%)が認められた患者が少なかった.血清クレアチニン値のベースラインから 0.5 mg/dL 以上(40 μmol/L 以上)の上昇が,プラゾマイシン群の 7.0%とメロペネム群の 4.0%で発生した.

結 論

多剤耐性株を含む腸内細菌科細菌に引き起こされる複雑性 UTI と急性腎盂腎炎の治療において,1 日 1 回のプラゾマイシンはメロペネムに対して非劣性を示した.(アカオジェン社,生物医学先端研究開発局から研究助成を受けた.EPIC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02486627)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 729 - 40. )