The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 12, 2019 Vol. 381 No. 11

COPD 増悪予防のためのベンラリズマブ
Benralizumab for the Prevention of COPD Exacerbations

G.J. Criner and Others

背景

インターロイキン-5 受容体αを標的とする細胞溶解性モノクローナル抗体ベンラリズマブの,中等症~最重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の増悪予防における有効性と安全性は明らかにされていない.

方 法

GALATHEA 試験と TERRANOVA 試験において,ガイドラインに基づく吸入療法を行っているにもかかわらず増悪を繰り返す COPD 患者を(好酸球数 [≧220/mm3 対 <220/mm3] に基づき,およそ 2:1 の割合で)登録した.患者を,ベンラリズマブ(GALATHEA 試験では 30 mg または 100 mg,TERRANOVA 試験では 10 mg,30 mg,または 100 mg)を 8 週ごと(最初の 3 回は 4 週ごと)に投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要評価項目はベンラリズマブの治療効果とし,ベースラインの血中好酸球数が 220/mm3 以上の患者における 56 週の時点での年間 COPD 増悪率比(ベンラリズマブ群 対 プラセボ群)として測定した.安全性も評価した.

結 果

GALATHEA 試験では,年間増悪率の推定値は,ベンラリズマブ 30 mg 群 1.19 回/年(95%信頼区間 [CI] 1.04~1.36),ベンラリズマブ 100 mg 群 1.03 回/年(95% CI 0.90~1.19),プラセボ群 1.24 回/年(95% CI 1.08~1.42)であり,プラセボ群と比較した率比は,ベンラリズマブ 30 mg 群 0.96(P=0.65),ベンラリズマブ 100 mg 群 0.83(P=0.05)であった.TERRANOVA 試験では,年間増悪率の推定値は,ベンラリズマブ 10 mg 群 0.99 回/年(95% CI 0.87~1.13),30 mg 群 1.21 回/年(95% CI 1.08~1.37),100 mg 群 1.09 回/年(95% CI 0.96~1.23),プラセボ群 1.17 回/年(95% CI 1.04~1.32)であり,プラセボ群と比較した率比はそれぞれ 0.85(P=0.06),1.04(P=0.66),0.93(P=0.40)であった.両試験とも,56 週の時点で,ベンラリズマブのいずれの用量群も,プラセボ群と比較した年間 COPD 増悪率比は有意差に達しなかった.有害事象の種類と頻度は,ベンラリズマブ群とプラセボ群で同様であった.

結 論

中等症~最重症の COPD で,中等度または重度の増悪を繰り返す血中好酸球数が 220/mm3 以上の患者に対し,ベンラリズマブを上乗せしても,COPD の年間増悪率がプラセボ群と比較して低くなることはなかった.(アストラゼネカ社 [GALATHEA 試験,TERRANOVA 試験],協和発酵キリン社 [GALATHEA 試験] から研究助成を受けた.GALATHEA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02138916,TERRANOVA 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02155660)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1023 - 34. )