October 17, 2019 Vol. 381 No. 16
進行期悪性黒色腫におけるニボルマブとイピリムマブの併用による 5 年生存率
Five-Year Survival with Combined Nivolumab and Ipilimumab in Advanced Melanoma
J. Larkin and Others
進行期悪性黒色腫患者を対象とした試験で,ニボルマブとイピリムマブの併用投与またはニボルマブの単独投与を行った患者は,イピリムマブの単独投与を行った患者よりも無増悪生存期間と全生存期間が延長した.この試験の 5 年転帰を報告する.
未治療の進行期悪性黒色腫患者を,ニボルマブ(1 mg/kg 体重)+イピリムマブ(3 mg/kg)を 3 週ごとに 4 回投与したあと,ニボルマブ(3 mg/kg を 2 週ごと)を投与する群,ニボルマブ(3 mg/kg を 2 週ごと)+イピリムマブにマッチさせたプラセボを投与する群,イピリムマブ(3 mg/kg を 3 週ごとに 4 回投与)+ニボルマブにマッチさせたプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無増悪生存期間と全生存期間の 2 つとし,ニボルマブ+イピリムマブ群,ニボルマブ群と,イピリムマブ群とで比較した.
最小追跡期間 60 ヵ月の時点で,全生存期間中央値は,ニボルマブ+イピリムマブ群で 60.0 ヵ月超(中央値未到達),ニボルマブ群で 36.9 ヵ月であったのに対し,イピリムマブ群では 19.9 ヵ月であった(ニボルマブ+イピリムマブのイピリムマブに対する死亡のハザード比 0.52,ニボルマブのイピリムマブに対する死亡のハザード比 0.63).5 年全生存率は,ニボルマブ+イピリムマブ群で 52%,ニボルマブ群で 44%であったのに対し,イピリムマブ群では 26%であった.ニボルマブ+イピリムマブとニボルマブ単独は,いずれも治療中,治療後の健康関連 QOL の持続的な低下は認められなかった.新たな遅発性の毒性は認められなかった.
進行期悪性黒色腫患者において,5 年の時点でも長期全生存が持続していた患者の割合は,ニボルマブ+イピリムマブ群とニボルマブ単独群のほうがイピリムマブ単独群よりも高く,ニボルマブを含むレジメンを受けた患者での QOL の明らかな低下は認められなかった.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社ほかから研究助成を受けた.CheckMate 067 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01844505)