The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 8, 2019 Vol. 381 No. 6

家族性高カイロミクロン血症症候群におけるボラネソーセンとトリグリセリド値
Volanesorsen and Triglyceride Levels in Familial Chylomicronemia Syndrome

J.L. Witztum and Others

背景

家族性高カイロミクロン血症症候群は,リポ蛋白リパーゼ活性の欠損に起因し,高カイロミクロン血症と繰り返す膵炎を特徴とするまれな遺伝性疾患である.有効な治療法はない.家族性高カイロミクロン血症症候群患者 3 例を対象とした非盲検試験では,ボラネソーセン(volanesorsen)により,肝臓の APOC3 mRNA をアンチセンスを介して阻害することで,血漿アポリポ蛋白 C-III 値とトリグリセリド値が低下した.

方 法

家族性高カイロミクロン血症症候群患者 66 例を対象に,ボラネソーセンの安全性と有効性を評価する 52 週間の第 3 相二重盲検無作為化試験を行った.患者をボラネソーセン群とプラセボ群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,空腹時トリグリセリド値のベースラインから 3 ヵ月の時点までの変化(%)とした.

結 果

3 ヵ月の時点で,ボラネソーセン群では血漿アポリポ蛋白 C-III 値の平均がベースラインから 25.7 mg/dL 減少,すなわち 84%低下したのに対し,プラセボ群ではベースラインから 1.9 mg/dL 増加,すなわち 6.1%上昇した(P<0.001).ボラネソーセン群では平均トリグリセリド値が 77%低下,すなわち平均で 1,712 mg/dL(19.3 mmol/L)(95%信頼区間 [CI] 1,330~2,094 mg/dL [15.0~23.6 mmol/L])減少したのに対し,プラセボ群では 18%上昇,すなわち 92.0 mg/dL(1.0 mmol/L)(95% CI -301.0~486 mg/dL [-3.4~5.5 mmol/L])増加した(P<0.001).3 ヵ月の時点で,ボラネソーセン群ではトリグリセリド値が 750 mg/dL(8.5 mmol/L)を下回る患者の割合は 77%であったのに対し,プラセボ群では 10%であった.ボラネソーセン群の 33 例中 20 例で注射部位反応が認められたのに対し,プラセボ群では認められなかった.プラセボ群では血小板数が 100,000/μL を下回る患者はいなかったが,ボラネソーセン群では 33 例中 15 例が 100,000/μL を下回り,そのうち 2 例は 25,000/μL 未満であった.血小板の強化モニタリングを開始すると,血小板数が 50,000/μL を下回る患者はいなかった.

結 論

ボラネソーセンにより,家族性高カイロミクロン血症症候群患者の 77%でトリグリセリド値が 750 mg/dL 未満に低下した.血小板減少と注射部位反応が頻度の高い有害事象であった.(アイオニス ファーマシューティカルズ社,アクセア セラピューティクス社から研究助成を受けた.APPROACH 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02211209)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 531 - 42. )