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March 23, 2023 Vol. 388 No. 12

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中等症~重症のアトピー性皮膚炎に対するレブリキズマブの 2 件の第 3 相試験
Two Phase 3 Trials of Lebrikizumab for Moderate-to-Severe Atopic Dermatitis

J.I. Silverberg and Others

背景

インターロイキン-13 を標的とする高親和性 IgG4 モノクローナル抗体レブリキズマブ(lebrikizumab)は,インターロイキン-4Rα–インターロイキン-13Rα1 ヘテロ二量体受容体シグナル伝達複合体の形成を阻害する.

方 法

同一デザインの,52 週間の無作為化二重盲検プラセボ対照第 3 相試験を 2 件行った.いずれも,16 週間の導入期間と 36 週間の維持期間を設けた.中等症~重症のアトピー性皮膚炎を有する適格患者(成人 [18 歳以上] と思春期児 [12 歳~18 歳未満,体重 40 kg 以上])を,レブリキズマブ 250 mg(ベースライン時と 2 週目に負荷用量 500 mg を投与)を 2 週間隔で皮下投与する群と,プラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.導入期間の転帰を 16 週間評価し,今回報告する.主要転帰は,16 週の時点での医師による全般的評価(IGA)スコア(0~4 [重症])が 0(皮疹の消失)または 1(ほぼ消失)で,ベースラインから 2 ポイント以上低下(改善を示す)していることとした.副次的転帰は,湿疹面積・重症度指数スコアの 75%の改善(EASI-75 達成),瘙痒および瘙痒による睡眠障害の評価などとした.安全性も評価した.

結 果

試験 1 では,レブリキズマブ群 283 例の 43.1%とプラセボ群 141 例の 12.7%が主要転帰を達成し(P<0.001),EASI-75 達成率はそれぞれ 58.8%と 16.2%であった(P<0.001).試験 2 では,レブリキズマブ群 281 例の 33.2%とプラセボ群 146 例の 10.8%が主要転帰を達成し(P<0.001),EASI-75 達成率はそれぞれ 52.1%と 18.1%であった(P<0.001).瘙痒の指標,および瘙痒による睡眠障害の指標は,レブリキズマブ療法による改善を示した.結膜炎の発現率は,レブリキズマブの投与を受けた患者のほうが,プラセボの投与を受けた患者よりも高かった.導入期間中に発現した有害事象の大部分は軽度~中等度であり,試験参加の中止にはいたらなかった.

結 論

2 件の第 3 相試験の導入期間中,レブリキズマブの 16 週間投与は,中等症~重症のアトピー性皮膚炎の思春期児と成人に有効であった.(デルミラ社から研究助成を受けた.ADvocate1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04146363,ADvocate2 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04178967)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 1080 - 91. )