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June 22, 2023 Vol. 388 No. 25

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HIV 感染の二次治療薬のドルテグラビルへの切替え
Second-Line Switch to Dolutegravir for Treatment of HIV Infection

L.A. Ombajo and Others

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を有し,遺伝子型の情報がなく,リトナビルでブーストしたプロテアーゼ阻害薬(PI)を含む二次治療でウイルスが抑制されている患者において,リトナビルでブーストした PI からドルテグラビルへの切替えに知見を与えるデータは限られている.

方 法

ケニアの 4 施設で行われた前向き多施設共同非盲検試験で,治療歴があり,遺伝子型の情報がなく,リトナビルでブーストした PI を含む治療中にウイルスが抑制されていた患者を,ドルテグラビルに切り替える群と,現行のレジメンを継続する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,48 週の時点での血漿中 HIV 1 型 RNA 量が 50 コピー/mL 以上であることとし,米国食品医薬品局のスナップショットアルゴリズムに基づいて評価した.主要エンドポイントを満たした参加者の割合の群間差 4 パーセントポイントを非劣性マージンとした.安全性を 48 週目まで評価した.

結 果

795 例が登録され,398 例がドルテグラビルへの切替え,397 例がリトナビルでブーストした PI の服用の継続に割り付けられた.intention-to-treat 曝露集団は 791 例(ドルテグラビル群 397 例,リトナビルでブーストした PI 群 394 例)であった.48 週の時点で,ドルテグラビル群の 20 例(5.0%)とリトナビルでブーストした PI 群の 20 例(5.1%)が主要エンドポイントを満たし(差 -0.04 パーセントポイント,95%信頼区間 -3.1~3.0),これは非劣性の基準を満たした.治療失敗の時点で,ドルテグラビルやリトナビルでブーストした PI に対する耐性をもたらす変異は検出されなかった.グレード 3 または 4 の治療関連有害事象の発現率は,ドルテグラビル群とリトナビルでブーストした PI 群で同程度であった(それぞれ 5.7%と 6.9%).

結 論

治療歴があり,ウイルス抑制下にある,薬剤耐性変異の存在に関するデータのない患者において,リトナビルでブーストした PI をベースとするレジメンから切り替える場合に,ドルテグラビルは,リトナビルでブーストした PI を含むレジメンに対して非劣性を示した.(ヴィーブヘルスケア社から研究助成を受けた.2SD 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04229290)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 2349 - 59. )