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January 5, 2023 Vol. 388 No. 1

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KRAS p.G12C 変異陽性進行膵癌に対するソトラシブ
Sotorasib in KRAS p.G12C–Mutated Advanced Pancreatic Cancer

J.H. Strickler and Others

背景

KRAS p.G12C 変異は,膵癌の約 1~2%に生じる.治療歴のある KRAS p.G12C 変異陽性膵癌患者に対する,KRAS G12C 阻害薬ソトラシブの安全性と有効性は明らかにされていない.

方 法

1 種類以上の全身療法歴のある KRAS p.G12C 変異陽性膵癌患者を対象として,ソトラシブによる治療の安全性と有効性を評価するための単群第 1・2 相試験を行った.第 1 相の主要目的は,安全性を評価し,第 2 相の推奨用量を決定することであった.第 2 相では,患者にソトラシブ 960 mg を 1 日 1 回経口投与した.第 2 相の主要エンドポイントは,中央判定に基づく客観的奏効(完全奏効または部分奏効と定義)とした.有効性エンドポイントは,客観的奏効,奏効期間,客観的奏効までの期間,疾患コントロール(客観的奏効または安定と定義),無増悪生存期間,全生存期間とし,2 つの相を合わせた集団で評価した.安全性も評価した.

結 果

第 1 相,第 2 相を合わせた集団は 38 例で,全例が組入れ時に転移を有し,過去に化学療法を受けていた.ベースラインの時点で,患者が過去に受けた治療の種類の中央値は 2(範囲 1~8)であった.この試験では,38 例全例がソトラシブの投与を受けた.8 例で中央判定に基づく客観的奏効が得られた(21%,95%信頼区間 [CI] 10~37).無増悪生存期間の中央値は 4.0 ヵ月(95% CI 2.8~5.6),全生存期間の中央値は 6.9 ヵ月(95% CI 5.0~9.1)であった.全グレードの治療関連有害事象は 16 例(42%)で報告され,6 例(16%)はグレード 3 の有害事象であった.死亡または投与中止にいたった治療関連有害事象はなかった.

結 論

治療歴のある KRAS p.G12C 変異陽性進行膵癌患者において,ソトラシブは抗癌活性と,許容可能な安全性プロファイルを示した.(アムジェン社ほかから研究助成を受けた.CodeBreaK 100 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03600883)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 33 - 43. )