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October 12, 2023 Vol. 389 No. 15

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心房細動を伴う末期心不全に対するカテーテルアブレーション
Catheter Ablation in End-Stage Heart Failure with Atrial Fibrillation

C. Sohns and Others

背景

症候性心房細動と末期心不全を有する患者に対する,カテーテルアブレーションの役割は明らかにされていない.

方 法

ドイツで,症候性心房細動と末期心不全を有し,心臓移植の評価目的で紹介された患者を対象として,単一施設非盲検試験を行った.患者を,カテーテルアブレーションとガイドラインに基づく薬物療法を行う群と,薬物療法のみを行う群に割り付けた.主要エンドポイントは,全死因死亡,左心補助人工心臓の植込み,緊急心臓移植の複合とした.

結 果

97 例がアブレーション群,97 例が薬物療法群に割り付けられた.無作為化完了後 1 年の時点で,有効性を理由としたデータ安全性モニタリング委員会の勧告に基づき,試験は中止された.カテーテルアブレーションは,アブレーション群では 97 例中 81 例(84%)に施行され,薬物療法群では 97 例中 16 例(16%)に施行された.追跡期間中央値 18.0 ヵ月(四分位範囲 14.6~22.6)の時点で,主要エンドポイントのイベントは,アブレーション群の 8 例(8%)と薬物療法群の 29 例(30%)に発生した(ハザード比 0.24,95%信頼区間 [CI] 0.11~0.52,P<0.001).全死因死亡は,アブレーション群の 6 例(6%)と薬物療法群の 19 例(20%)に発生した(ハザード比 0.29,95% CI 0.12~0.72).手技に関連した合併症は,アブレーション群の 3 例と薬物療法群の 1 例に発生した.

結 論

心房細動と末期心不全を有する患者において,カテーテルアブレーションとガイドラインに基づく薬物療法の併用は,全死因死亡,左心補助人工心臓の植込み,緊急心臓移植の複合が発生する確率が,薬物療法単独よりも低いことと関連した.(エルサ・クロナー・フレゼニウス財団から研究助成を受けた.CASTLE-HTx 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04649801)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 1380 - 9. )