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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 12, 2006
Vol. 355 No. 15

ORIGINAL ARTICLE

  • アルツハイマー病患者における非定型抗精神病薬の有効性
    Effectiveness of Atypical Antipsychotic Drugs in Patients with Alzheimer's Disease

    精神症状,攻撃性,興奮を呈するアルツハイマー病患者を対象とした非定型抗精神病薬に関するこの無作為化試験では,オランザピン,リスペリドン,クエチアピン,プラセボの有効性(薬剤の投与を中止するまでの期間により判定)は同等であった.有効性の欠如が原因でプラセボの服用が中止される傾向が強く,不耐性が原因で抗精神病薬の服用が中止される傾向が強かった.

  • 多剤耐性結核の診断における顕微鏡観察による薬剤感受性検査
    Microscopic-Observation Drug-Susceptibility Assay for Diagnosis of Multidrug-Resistant Tuberculosis

    結核菌の培養と抗菌薬感受性検査では,結果が得られるまで一般に 1~2 ヵ月かかる.このペルーからの報告では,顕微鏡観察による薬剤感受性検査は,結核菌の検出において現行の標準的検査法よりも感度が高く,結果が得られるまでの時間が大幅に短い(中央値 7 日)ことが示されている.

  • 血糖調節障害のある被験者におけるラミプリルによる糖尿病予防
    Ramipril to Prevent Diabetes in Subjects with Impaired Glucose Regulation

    心血管疾患を認めないが,空腹時血糖値異常または耐糖能異常を示す被験者に対し,2 × 2 要因デザインに従ってラミプリルまたはプラセボ(ロシグリタゾン併用,または非併用)を投与し,中央値で 3 年間追跡した.この結果から,ラミプリルによって死亡率や新たに糖尿病と診断される割合が変化することはなかったが,ACE 阻害薬により糖代謝がわずかに改善する可能性のあることが示された.

  • 体重減量の維持に対する自己調整プログラム
    Self-Regulation Program to Maintain Weight Loss

    この体重維持プログラムは,毎日の体重測定を含む自己調整理論に基づいたものである.著者らは,対面あるいはインターネットでプログラムを提供することの有効性を,年 4 回ニュースレターを提供する方法と比較した.この介入により,とくに対面で行った場合に,減量がより維持された.

  • 小児癌の成人生存者における長期的な健康状態
    Chronic Health Conditions in Adult Survivors of Childhood Cancer

    小児癌の成人生存者 10,000 例以上を対象にした小児癌生存者研究において,小児癌の成人生存者では,慢性的な病態による疾患の頻度が高いことが示された.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 限局性前立腺癌に対する外部放射線治療
    External-Beam Radiotherapy for Localized Prostate Cancer

    69 歳の限局性前立腺癌の男性に,外部放射線治療が勧められている.この治療法は,放射線を正確に標的に集中させるという高度な技術の開発がすすんだため,急速に発展した.重大な有害作用には,放射線による直腸炎,膀胱炎,尿道炎,勃起不全などがある.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 重度肥満の 15 歳の女児
    A 15-Year-Old Girl with Severe Obesity

    この女児は,小児期早期から重度の肥満であった.女児は幼児期に養子に出されており,養父母および兄弟姉妹の体重は正常であった.体重減量を維持するための多くのプログラムが失敗に終った.女児には,いびき,不眠,夢遊,日中の眠気,抑うつなどの問題がみられた.管理の選択肢について論じられている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 筋萎縮性側索硬化症の進行
    Progression of Amyotrophic Lateral Sclerosis

    筋萎縮性側索硬化症の進行は,中枢神経系の免疫細胞であるミクログリア細胞の影響を受ける可能性がある.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 胸腔穿刺術
    Thoracentesis

    胸腔穿刺術

    胸腔穿刺術によって,大量の胸水がみられる患者の呼吸窮迫が劇的に軽減する可能性がある.さらに,診断目的の胸腔穿刺は,原因不明の胸水のある患者において有益な処置である.採取した胸水は,漏出性(静水圧の不均衡の結果生じた胸水)と滲出性(毛細血管透過性の亢進またはリンパ管閉塞の結果生じた胸水)とに分類できる.この手技ビデオでは,胸腔穿刺術の実施方法を実演している.