The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 10, 2009
Vol. 361 No. 11

ORIGINAL ARTICLE

  • 急性冠症候群患者におけるチカグレロルとクロピドグレルの比較
    Ticagrelor versus Clopidogrel in Patients with Acute Coronary Syndromes

    多施設共同無作為化試験において,ST 上昇の有無を問わず急性冠症候群を発症した患者に対するアデノシン二リン酸受容体 P2Y12 の可逆的阻害薬チカグレロルの効果を,クロピドグレルと比較検討した.12 ヵ月の時点で,血管系の原因による死亡,心筋梗塞,脳卒中から成る主要エンドポイントの発生率は,チカグレロル群のほうが低かった.チカグレロル投与と,重大な出血のリスク上昇とのあいだに関連は認められなかった.

  • 急性骨髄性白血病患者に共通してみられる変異
    Recurring Mutations in AML

    急性骨髄性白血病(AML)患者 1 例の腫瘍サンプルのゲノム配列と,同一患者の正常な皮膚サンプルのゲノム配列を比較したところ,約 750 個の体細胞変異が認められた.そのうち 12 個は遺伝子のコード配列内に,52 個は保存領域や制御に関わる可能性のある領域内にあった.4 個の変異,すなわち NRAS 遺伝子,NPM1 遺伝子,IDH1 遺伝子と,第 10 染色体の保存領域内における変異が,複数の AML 患者に共通してみられた.

  • ナタリズマブ投与患者における JC ウイルス不顕性感染の再活性化
    Asymptomatic Reactivation of JC Virus in Patients Treated with Natalizumab

    進行性多巣性白質脳症(PML)はナタリズマブ投与のまれな合併症であり,JC ウイルスによって引き起こされる.PML の症状がみられない多発性硬化症患者 19 例を対象としたこの研究では,ナタリズマブ投与後に血中と尿中の JC ウイルス保有率が上昇した.JC ウイルス制御領域配列は,PML に通常みられる配列と類似していた.

BRIEF REPORT

  • ナタリズマブ関連進行性多巣性白質脳症の治療
    Treatment of Progressive Multifocal Leukoencephalopathy Associated with Natalizumab

    この報告は,多発性硬化症に対してナタリズマブ療法を 12 ヵ月間受けたあとに,進行性多巣性白質脳症を発症した 52 歳の男性について述べている.男性は,ナタリズマブを排出するため血漿交換療法と免疫吸着療法を受けた.最初に臨床的な改善がみられ,その後免疫再構築症候群が発現して症状が悪化したが,命は取り留めて神経学的に改善した.

  • ナタリズマブ単独投与後に発症した進行性多巣性白質脳症
    Progressive Multifocal Leukoencephalopathy after Natalizumab Monotherapy

    この報告は,多発性硬化症でナタリズマブ療法を受けていた患者で発症した進行性多巣性白質脳症について述べている.ナタリズマブの排出を促進するため血漿交換療法が行われた.血漿交換療法から 3 週間後,免疫再構築症候群が発現して神経学的症状が悪化したが,数週間後に改善した.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 重症患者に対する静脈栄養
    Parenteral Nutrition in the Critically Ill Patient

    2 型糖尿病の 67 歳の女性が,腸間膜虚血のため広範囲の腸切除を受けた.経管栄養法は有害作用と関連していることから,中心静脈栄養法が推奨される.静脈栄養の適正使用については意見が分かれているが,特定の状況下では有益である可能性がある.高血糖の管理は必須である.可能性のある有害作用として,栄養過剰と再栄養症候群がある.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 倦怠感,咳嗽,末梢血単球増加を呈する男性
    A Man with Fatigue, Cough, and Peripheral-Blood Monocytosis

    68 歳の男性が,倦怠感,咳嗽,末梢血単球増加のため当院の癌センターを受診した.7 週間前に倦怠感,咳嗽,尿路症状が発現し,尿路感染症と診断され抗菌薬による治療を開始した.全血球計算により異型細胞を伴う白血球増加が明らかにされ,その後フローサイトメトリーで骨髄芽球が認められた.診断手技が行われ,治療決定が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 腹部大動脈瘤を解明する
    Understanding Abdominal Aortic Aneurysm

    シクロフィリン A はマウスの腹部大動脈瘤に対する感受性を修飾する.この分子が欠損したマウスは,アンジオテンシン II により誘発される動脈瘤に抵抗性を示す.