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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 13, 2009
Vol. 361 No. 7

ORIGINAL ARTICLES

  • 乳癌における微小転移・遊離癌細胞と転帰の関連
    Micrometastases or Isolated Tumor Cells and the Outcome of Breast Cancer

    早期乳癌女性を対象としたこの研究では,センチネルリンパ節または腋窩リンパ節における遊離癌細胞・微小転移と,5 年無病生存率の関連が示された.このようなリンパ節転移を有する女性では,術後全身療法を受けることで転帰が改善した.

  • 乳癌に関連したリンパ浮腫を呈する女性におけるウエイトリフティング
    Weight Lifting in Women with Breast-Cancer–Related Lymphedema

    乳癌に関連するリンパ浮腫を呈する女性には,リンパ浮腫を悪化させる懸念から,一般にウエイトリフティングをしないよう勧められている.リンパ浮腫を呈する乳癌生存者を対象としたこの無作為化試験では,ウエイトリフティングプログラムを 1 年間受けた群では,対照群と比較して,上腕の腫脹が増大することなくリンパ浮腫症状と筋力が改善し,医師の確認に基づくリンパ浮腫の増悪率が低かった.

  • H1N1 インフルエンザの流行と同時期に発生した重症呼吸器疾患
    Severe Respiratory Disease Concurrent with H1N1 Influenza Circulation

    メキシコで多くの人がブタ由来の新型インフルエンザウイルスに感染し,その後流行は世界中に拡大した.この論文では,2009 年 3 月~4 月にメキシコで確認された重症呼吸器疾患の非典型的なパターン,すなわち重症者の割合が若年層で高かったことについて述べている.

  • メキシコでのブタ由来のインフルエンザ A(H1N1)による肺炎と呼吸不全
    Pneumonia and Respiratory Failure from S-OIV in Mexico

    この症例集積研究では,2009 年 3 月 24 日~4 月 24 日にメキシコシティにおいてブタ由来の新型インフルエンザ A(H1N1)ウイルス(S-OIV)に感染した最初の入院患者 18 例について報告している.そのうちの半数以上は 13~47 歳で,ほとんどの患者がそれまで健康であった.10 例が挿管と人工換気を要する呼吸困難を呈し,7 例が死亡した.医療従事者への二次感染が 22 例認められたが,入院を要しなかった.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 子宮筋腫塞栓術
    Uterine Fibroid Embolization

    45 歳の女性が,重度の過多月経と月経困難で受診したところ,大きな子宮筋腫がいくつかあることが判明した.女性は子宮摘出を望まないため,子宮筋腫塞栓術を提案された.塞栓術は,子宮筋腫を梗塞させる非外科的介入であるが,生殖機能が損なわれる可能性があり,また,再介入を要する患者もいる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • ホルモン受容体陽性乳癌の女性
    A Woman with Hormone-Receptor-Positive Breast Cancer

    36 歳の女性が,ホルモン受容体陽性乳癌の管理のため,集学的乳癌クリニックを受診した.女性の乳癌は,腫瘍径 1.4 cm,3 段階のグレード分類で 2,エストロゲン受容体蛋白とプロゲステロン受容体蛋白陽性・ヒト上皮成長因子受容体 2 陰性の浸潤性乳管癌であり,免疫組織化学的解析により 13 の腋窩リンパ節の 1 つに微小転移が検出された.治療決定が行われた.

SPECIAL REPORT

  • エゼチミブの臨床試験データの早すぎる発表
    Premature Release of Data from Clinical Trials of Ezetimibe

    著者らは,進行中のコレステロール低下薬エゼチミブの臨床試験における,発癌リスクという予想外の所見について述べている.予期せぬ新しい科学的所見に対して,とくに医薬品安全性の領域ではどのように取り組むべきか,今回の事態がもたらす意義を論じている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 黄体形成ホルモンと排卵
    Luteinizing Hormone and Ovulation

    変異マウスの分析により,黄体形成ホルモンによる排卵の誘発には,2 種類のシグナル伝達分子が重要な役割を果たすことが判明した.