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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 29, 2010
Vol. 363 No. 5

ORIGINAL ARTICLE

  • 去勢抵抗性前立腺癌に対するシプロイセル T 免疫療法
    Sipuleucel-T Immunotherapy for Castration-Resistant Prostate Cancer

    著者らは,再熱進行前立腺癌患者に腫瘍抗原に対するワクチンを接種すると生存期間が延長することを報告している.前立腺酸性フォスファターゼと顆粒球マクロファージコロニー刺激因子から成るキメラ蛋白により刺激された自己抗原提示細胞を 1 ヵ月に 3 回投与すると,全生存期間はプラセボに比べて 4 ヵ月延長した.

  • 胸骨圧迫単独による心肺蘇生と胸骨圧迫・人工呼吸併用による心肺蘇生との比較
    CPR with Chest Compression Alone or with Rescue Breathing

    通信指令員の指示のもとで,居合わせた人が行う心肺蘇生(CPR)において,胸骨圧迫単独と胸骨圧迫+人工呼吸を比較したこの臨床試験では,結果は同等であった.しかし,心原性心停止患者や除細動適応のリズムを呈した患者では,胸骨圧迫のみによる CPR でより優れた結果が得られた.これらの結果は,診療ガイドラインに影響を与えうるものである.

  • 院外心停止に対する胸骨圧迫単独心肺蘇生と標準的心肺蘇生との比較
    Compression-Only CPR or Standard CPR in Out-of-Hospital Cardiac Arrest

    院外心停止患者を対象とした無作為化臨床試験において,胸骨圧迫単独 CPR が行われた場合と標準的 CPR(胸骨圧迫と人工呼吸)が行われた場合とで,30 日生存率は同程度であった.この結果から,胸骨圧迫単独 CPR がさらに支持されると考えられる.

  • 糖尿病リスク低下を目的とした学校単位での介入
    A School-Based Intervention for Diabetes Risk Reduction

    人種や民族,社会経済的状況によって肥満や 2 型糖尿病の発症リスクが高い生徒を対象に,学校単位の研究が行われた.各学校は,学校単位で多面的介入を行う群と,評価のみを行う群(対照群)のいずれかに無作為に割り付けられた.過体重・肥満の複合有病率は両群とも低下したが,包括的な学校単位での介入には,脂肪蓄積の指標とインスリン値の大幅な低下との関連が認められた.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 慢性腰痛に対する鍼治療
    Acupuncture for Chronic Low Back Pain

    腰痛が 7 年間続いている 45 歳の男性が,主治医に認定鍼師への紹介を求めた.鍼は,体の特定部位に細い金属針を刺入して行う.慢性腰痛に対する鍼治療の臨床試験では,鍼と偽鍼はともに通常ケアより症状の改善率が高いことが示されている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 腎周囲の液体貯留と腎不全を呈する男性
    A Man with Perinephric Fluid Collections and Renal Failure

    49 歳の男性が,腎周囲の液体貯留と急性腎不全のため入院した.7 年前に,ルーチンの検査でヘマトクリット値が高値を示し,定期的な瀉血が開始された.入院の 10 ヵ月前に,労作時呼吸困難が発現し,画像検査で胸水と両腎周囲に嚢胞性病変が認められた.入院の 1 ヵ月前に,左側腹部痛が突然出現し,左腎周囲の液体貯留が増大した.ドレーンが留置されたが,急性腎不全が発現した.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 重症デング熱を理解する
    Understanding Severe Dengue

    重症デング熱は,デング熱ウイルスによる二次感染時における抗体依存性感染増強に起因することが示されている.最近の研究により,この機序に関するエビデンスと詳細が明らかにされた.