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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 8, 2018
Vol. 379 No. 19

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • リンパ系フィラリア症に対する治療
    Treatment for Lymphatic Filariasis

    リンパ系フィラリア症の主な原因であるバンクロフト糸状虫とブルギア属の感染者数は,世界で 1 憶人を超える.この試験では,イベルメクチン+ジエチルカルバマジン+アルベンダゾールの単回投与によって,1 年,2 年,3 年の時点で 96%の患者でミクロフィラリアが消失した.

  • 多発性骨髄腫に対する併用療法
    Combination Therapy for Relapsed Myeloma

    ポマリドミド+デキサメタゾンへの免疫賦活性モノクローナル抗体エロツズマブの併用と非併用とを比較した無作為化試験で,エロツズマブの追加によって奏効率と無増悪生存期間が倍になり,毒性の増加はなかった.

  • 重症患者に対するカロリー投与量を増やす
    Increasing Calorie Delivery in the Critically Ill

    人工呼吸管理を受けている重症成人を対象とした試験で,高エネルギー経腸栄養とルーチンの経腸栄養との比較が行われた.高エネルギー栄養剤を使用しても,90 日生存率は上昇しなかった.

  • 淋病に対するゾリフロダシン
    Zoliflodacin for Gonorrhea

    抗菌薬耐性が増加して淋病の治療に困難が生じている.ゾリフロダシンは DNA 生合成を阻害する新しい抗菌薬である.第 2 相試験で,ゾリフロダシンは合併症を伴わない尿路・性器の淋病に活性を有することが示された.

  • 短報:移植関連赤芽球癆に対するダラツムマブ
    Brief Report: Daratumumab for Transplant-Related Pure Red-Cell Aplasia

    A 型ドナーの同種幹細胞移植を受けた O 型のレシピエントの 1 例が,赤芽球癆を発症した.この病態はダルベポエチンα,グルココルチコイド,リツキシマブに抵抗性であったが,抗 CD38 抗体ダラツムマブに速やかに反応した.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 急性骨髄性白血病におけるカゼインキナーゼ 1αの抑制
    Suppression of Casein Kinase 1 Alpha in AML

    カゼインキナーゼ 1αはアポトーシス誘導蛋白 P53 を分解の標的とし,正常に機能する P53 の不足が,急性骨髄性白血病を含む癌の腫瘍性状の背景にある.このキナーゼの抑制は,薬剤開発の候補経路である.

PERSPECTIVE

  • 多発性骨髄腫に対する免疫療法の併用
    Immunotherapy Combinations in Multiple Myeloma

    米国食品医薬品局は,プログラム細胞死 1(PD-1)阻害薬ペムブロリズマブと,サリドマイド類似体免疫修飾薬に対して,ラベルに多発性骨髄腫における死亡率上昇に関する情報を含めるよう要請した.それでもこの疾患における PD-1 療法の役割は明白である.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 慢性鉛中毒によるバートン線
    Burton’s Line from Chronic Lead Intoxication

    慢性鉛中毒によるバートン線

    39 歳の男性が腹痛と便秘を訴えて受診した.身体診察にて,下顎の歯肉の縁に沿って灰色の線を認めた.検査にて,血中鉛濃度の上昇が確認された.

REVIEW ARTICLE

  • 新生児 ICU における倫理的問題
    Ethical Issues in the Neonatal ICU

    新生児 ICU における倫理的問題

    技術的進歩によって,生存できる児と生存できない児の境界が変わり,介入を決定する際に QOL を考慮する必要性が増している.家族と医師の価値観の複雑さを考慮に入れた意思決定へのアプローチが述べられている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 感覚異常と片足・腹壁の脱力を呈する女性
    A Woman with Paresthesia and Weakness of the Foot and Abdominal Wall

    ニューイングランド地方に居住する 58 歳の女性が,初秋に,体幹(腹部)の感覚鈍麻,両手の感覚異常,左足・腹壁の脱力を訴えて神経内科の外来クリニックを受診した.診断検査が行われた.

NEJM QUICK TAKE

  • 多発性骨髄腫の生存期間を延長させる
    Prolonging Survival in Multiple Myeloma

    多発性骨髄腫の生存期間を延長させる

    免疫調節薬とプロテアソーム阻害薬が普及したものの,再発または難治性の多発性骨髄腫の頻度は高く,この疾患は一度これらの薬剤が無効になると予後が不良である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 時間の無駄を減らす
    Wasting Less Time

    時間の無駄を減らす

    Melinda Ashton が,医療分野における管理業務の負担を軽減すること,そして医師が仕事にさらに大きな意味を見出せるよう手助けをすることについて論じている.