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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
December 12, 2019
Vol. 381 No. 24
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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エボラの治療薬の無作為化比較試験
Randomized, Controlled Trial of Ebola Treatments2018 年 8 月以来,コンゴ民主共和国でエボラウイルスの伝播が続いている.MAb114,REGN-EB3,レムデシビル,ZMapp(対照)を検討したこの試験では,エボラウイルス病の死亡率は,MAb114 群と REGN-EB3 群でその他の群よりも低かった.
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COPD に対するメトプロロール
Metoprolol in COPD中等度または重度の COPD 患者を対象とした無作為化試験で,β遮断薬メトプロロールの投与により,プラセボと比較して初回 COPD 増悪までの時間が短くなることはなかった.
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慢性骨髄性白血病におけるアスシミニブ
Asciminib in Chronic Myeloid Leukemiaアスシミニブは,分子の ATP 結合ドメインではなく,ミリストイル部位を標的とする新たな ABL チロシンキナーゼ阻害薬である.主にグレードの低い毒性が少数の患者で認められ,標準的な TKI に抵抗性を示したか忍容できない副作用が生じた患者の大部分で相当な抗白血病活性を示した.
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電気ショック非適応リズムの心停止に対する低体温療法
Therapeutic Hypothermia for Cardiac Arrest with Nonshockable Rhythm電気ショック非適応リズムの心停止から蘇生後昏睡状態にある患者を,中等度低体温療法(33℃)と目標体温を設定した常温療法(37℃)に無作為に割り付けた.低体温療法のほうが,90 日の時点において好ましい神経学的転帰で生存している患者が多かった.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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呼吸困難を訴え胸部画像検査で異常を認める男性
A Man with Dyspnea and Abnormalities on Chest Imaging電子たばこの使用歴がある 20 歳の男性が,呼吸困難,間欠熱,関節拘縮,鼻閉が持続しているため受診した.胸部画像検査で,すりガラス状の結節状陰影が認められ,下肺野がもっとも顕著であった.診断のための手技が行われた.
CORRESPONDENCE
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米国人の死亡場所の変化
Changes in Where Americans Die米国における 2003~17 年の自然死は約 3,520 万件であった.この分析では,20 世紀初頭以来はじめて,米国におけるもっとも多い死亡場所として,自宅が病院を上回ったことが示されている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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関節リウマチの望遠鏡状指
Telescoping Fingers in Rheumatoid Arthritis関節リウマチを有する 69 歳の女性が,重度の関節変形の治療のため受診した.手の診察で,望遠鏡状指が認められた.動画で紹介する.
REVIEW ARTICLE
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ペニシリンアレルギー
Penicillin Allergy実際にアレルギーである人よりも多くの人が,ペニシリンアレルギーのレッテルを貼られている.そのレッテルは,皮膚試験と試験曝露で分析すべきである.真のペニシリンアレルギー患者は,医師の観察のもと,徐々に増量するプロトコールを用いて脱感作を行うことができる.
NEJM QUICK TAKE
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集団発生中にエボラを研究する
Researching Ebola during an Outbreak多数の死者を出した 2013~16 年の西アフリカにおけるエボラウイルス病の集団発生が終息した後,世界保健機関は実験的治療薬の評価方法に焦点を当てた議論を開始した.そこで一致した意見は,とくに有望な治療薬は,可能であれば,新たに集団発生が起きた際に無作為化試験で検討すべきであるというものであった.2018 年 8 月,コンゴ民主共和国で新たな集団発生が起きた.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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機械学習の限界
Limitations of Machine LearningAdewole Adamson が,癌の診断における機械学習の役割について論じている.