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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

March 19, 2020
Vol. 382 No. 12

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 坐骨神経痛に対するヘルニア摘出術と保存的治療との比較
    Diskectomy or Conservative Care for Sciatica

    坐骨神経痛が 4~12 ヵ月持続する腰椎椎間板ヘルニア患者 128 例を対象とした単一施設無作為化試験で,ヘルニア摘出術は,組入れ後 6 ヵ月の時点での下肢痛の強度の低下に関して,保存的治療に対する優越性を示した.保存的治療に割り付けられた患者のうち,34%が手術にクロスオーバーした.

  • 人工呼吸管理中の ICU 患者における無鎮静または浅鎮静
    No Sedation or Light Sedation in Ventilated ICU Patients

    人工呼吸管理中の ICU 患者 700 例を対象とした無作為化試験で,無鎮静の計画に割り付けられた患者と 1 日 1 回の中断を行う浅鎮静の計画に割り付けられた患者の 90 日死亡率に有意差は認められなかった.血栓塞栓イベントが少数認められたが,鎮静群でより多かった.

  • HIV-1 抑制を維持するための長時間作用薬療法
    Long-Acting Therapy to Maintain HIV-1 Suppression

    HIV の管理のための簡略化された治療レジメンは,アドヒアランスを向上させる可能性がある.非盲検無作為化比較試験で,長時間作用型(月 1 回投与)の注射薬であるカボテグラビル+リルピビリンが,標準的な経口薬療法と比較された.48 週の時点で,2 つのレジメンによるウイルス抑制は同程度であった.

  • HIV-1 に対する経口薬による導入療法後の長時間作用薬療法
    Long-Acting Therapy after Oral Induction for HIV-1

    HIV-1 に対する簡略化された治療レジメンには,有利な点がある可能性がある.非盲検無作為化比較試験で,抗レトロウイルス療法歴のない HIV 感染患者に経口薬による導入療法を行った後,長時間作用型カボテグラビルと長時間作用型リルピビリンを月 1 回注射するか,標準治療を行った.48 週の時点で,2 つのレジメンによるウイルス抑制は同程度であった.

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 陰茎のカポジ肉腫
    Penile Kaposi’s Sarcoma

    ヒト免疫不全ウイルス感染を有する 49 歳の男性が,陰茎の紫色の潰瘍性病変を訴えて受診した.生検が行われ,カポジ肉腫と診断された.

SPECIAL REPORT

  • エジプトにおける C 型肝炎撲滅のためのスクリーニングプログラム
    Screening Program to Eliminate Hepatitis C in Egypt

    2018 年,エジプト政府は C 型肝炎の大規模スクリーニングおよび治療プログラムを開始した.保健省は,1 年以内に成人全員(標的集団 6,250 万人)のスクリーニングを行うという目標を設定し,政府の支払いによる治療を行った.5,000 万人近くがスクリーニングに参加し,約 100 万人の患者が C 型肝炎ウイルス感染の治療を受けた.

Videos, Images, and Multimedia

REVIEW ARTICLE

  • 遺伝性血管性浮腫
    Hereditary Angioedema

    遺伝性血管性浮腫

    遺伝性血管性浮腫はまれな遺伝性疾患であり,皮膚の血管性浮腫,重度の腹痛,気道障害の再発性発作を伴う可能性がある.その予防および治療として,C1 インヒビター補充や,カリクレイン–ブラジキニン経路の阻害などが行われる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 息切れ,咳嗽,低酸素血症を呈した男性
    A Man with Shortness of Breath, Cough, and Hypoxemia

    息切れ,咳嗽,低酸素血症を呈した男性

    悪性黒色腫の既往を有する 64 歳の男性が,右腕がうまく動かせず他院で受けた評価で脳腫瘤が認められたあと,当院を受診した.転移性悪性黒色腫と診断され,免疫チェックポイント阻害薬の併用を含む治療が開始された.発熱,呼吸困難,咳嗽が出現した.

NEJM QUICK TAKE

  • 持続する坐骨神経痛の痛みを軽減する
    Reducing Pain in Persistent Sciatica

    持続する坐骨神経痛の痛みを軽減する

    腰椎椎間板ヘルニアによる急性坐骨神経痛の患者を対象とした試験は,手術の短期的な利益は保存的治療を上回ることを示しているが,6~12 ヵ月目までの転帰は同様である.持続する坐骨神経痛については,手術のほうが利益が大きいかどうかは明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 公衆衛生のサクセスストーリー
    A Public Health Success Story

    公衆衛生のサクセスストーリー

    William Haseltine が,エジプトの C 型肝炎スクリーニングから得られた教訓について論じている.エジプトは全国民を対象とする疾患スクリーニング・治療プログラムを開始した.

AUDIO INTERVIEW

  • Covid-19 の診断と治療にあたり臨床医が知っておくべきこと
    What Clinicians Need to Know in Diagnosing and Treating Covid-19

    Covid-19 の診断と治療にあたり臨床医が知っておくべきこと

    2020 年 3 月 3 日に行われた音声インタビューで,本誌編集者らが米国での SARS-CoV-2 診断のための検査の現状と,陽性患者に臨床医ができることについて論じている.