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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
February 6, 2020
Vol. 382 No. 6
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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NELSON 試験における肺癌スクリーニング
Lung-Cancer Screening in the NELSON Trial人口ベースの無作為化比較試験で,高リスク者が肺癌のスクリーニングを受けた.結節はボリュームデータに基づいて管理された.追跡調査 10 年の時点で,肺癌死亡率はスクリーニング群のほうが対照群よりも有意に低かった(男性参加者で 1,000 人年あたり 2.5 例 対 3.3 例).
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転移性乳癌におけるリボシクリブとフルベストラントの併用
Ribociclib and Fulvestrant in Metastatic Breast Cancer前回の報告では,フルベストラントとサイクリン依存性キナーゼ阻害薬リボシクリブで治療された転移性乳癌患者における無増悪生存の有意な改善が示された.より長期の追跡により,フルベストラントとリボシクリブの併用は全生存期間をも延長させることが明らかにされた.
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妊娠と喘息におけるビタミン D
Vitamin D in Pregnancy and Asthma以前に発表された比較試験において,妊娠中の母親へのビタミン D 投与は,その児の 3 歳の時点での喘鳴を予防することが明らかになった.同じ児を 6 歳の時点まで追跡した研究で,もはや予防的効果は認められなかった.
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新生児低血糖症の治療閾値
Treatment Thresholds for Neonatal Hypoglycemia低血糖のリスクがあり,それ以外は健康な新生児の低血糖の治療に関する多施設共同無作為化試験で,従来の治療閾値(血糖値 47 mg/dL 未満)とそれより低い閾値(36 mg/dL 未満)とで,生後 18 ヵ月時の認知スコアと運動スコアを比較した.より低い閾値は従来の閾値に対し非劣性を示した.
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抗 CD19 リンパ系腫瘍に対する CAR-NK 細胞
CAR-NK Cells in Anti-CD19 Lymphoid Tumorsこの試験の研究者は,CD19 陽性リンパ系腫瘍患者 11 例に,臍帯血を同種リンパ球源に用いて,抗 CD19 キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように改変されたナチュラルキラー(NK)細胞を注入した.大部分の患者に抗腫瘍効果が認められ,毒性は少なかった.
REVIEW ARTICLE
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プラセボ効果とノセボ効果
Placebo and Nocebo Effectsプラセボ効果とノセボ効果(患者の肯定的・否定的な期待による反応)は,臨床診療において影響力が大きく,広く浸透している.神経生物学的機序,治療について提供される情報,薬剤の使用歴または処置の施行歴,および治療環境のすべてが,こうした効果を生み出しうる.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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圧の急激な変化
A Rapid Change in Pressure74 歳の女性が,6 週間続く進行性の労作時呼吸困難を訴えて受診した.女性は,乾性咳嗽,疲労,食欲不振も訴えており,6 ヵ月間で 9 kg の意図しない体重減少もあったという.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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双胎貧血多血症
Twin Anemia Polycythemia Sequence在胎 31 週で出生した一絨毛膜二羊膜双生児の出生時の身体診察で,1 人目は青白く,2 人目には多血が認められた.妊娠 30 週で行われた経腹的超音波検査では,双胎貧血多血症が示唆されていた.
NEJM QUICK TAKE
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喫煙者における CT スクリーニングと肺癌死亡率
CT Screening and Lung-Cancer Mortality in Smokers肺癌による死亡は,乳癌,大腸癌,子宮頸癌による死亡を合計したよりも多いが,肺癌患者の約 70%は診断時には進行しており,5 年後も生存しているのはわずか 15%である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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臓器提供の倫理を検討する
Examining the Ethics of Organ DonationJoshua Mezrich が,デッド・ドナー・ルールと,それが米国およびカナダにおける臓器提供にどのような影響を及ぼすかについて論じている.