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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
September 3, 2020
Vol. 383 No. 10
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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十分な医療サービスを受けていない患者における減量
Weight Loss in Underserved Patients十分な医療サービスを受けていない集団を対象に行われたクラスター無作為化試験で,著者らは,強度の高い生活習慣介入によって,通常診療よりも大きな体重減少が得られるという仮説を立てた.強度の高いプログラムに割り付けられた患者は,通常診療を受けた患者よりも体重減少が有意に大きかった.
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筋萎縮性側索硬化症の進行に対するフェニル酪酸–taurursodiol の有効性
Effect of Phenylbutyrate–Taurursodiol on ALS Progressiontaurursodiol と組み合わせたフェニル酪酸ナトリウムは,実験モデルにおいてニューロンの小胞体ストレスとミトコンドリアの機能障害を減少させる.無作為化試験で,この併用は筋萎縮性側索硬化症の進行を遅らせたが,静的肺活量や等尺性筋力には影響を及ぼさなかった.
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肺癌に対するテポチニブ
Tepotinib in Lung CancerMET エクソン 14 スキッピング変異陽性の非小細胞肺癌患者を対象とした試験で,テポチニブ(選択的 MET 阻害薬)の使用は,患者の約半数における部分奏効に関連していた.主な有害事象は末梢性浮腫であった.
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MET 変異陽性肺癌に対するカプマチニブ
Capmatinib in MET-Altered Lung Cancer非小細胞肺癌患者の 1~2%では,MET にエクソン 14 スキッピング変異または遺伝子増幅による異常が生じている.MET 特異的なチロシンキナーゼ阻害薬であるカプマチニブは,MET 変異陽性腫瘍を有する前治療歴のある患者の 40%,前治療歴のない患者の 67%に奏効をもたらし,奏効期間中央値はそれぞれ 9 ヵ月と 12 ヵ月であった.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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カーブボール
A Curve Ball70 歳の男性が,意識障害の発作後に救急部を受診した.受診の 2 日前,ジャガイモが入った餅を食べたあとに,頻尿と尿量の減少が始まった.受診当日,見当識障害を呈し,転倒した.
MEDICINE AND SOCIETY
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パンデミック時に小学校を再開する
Reopening Primary Schools during the Pandemic今秋に許容可能な安全性レベルで学校を再開できるよう,今夏に厳しい感染拡大防止策をとって市中感染率を減少させることが最善であると考えられ,また多くの国から得られたエビデンスでそれが可能であることが示されている.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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結膜扁平上皮癌
Conjunctival Squamous-Cell Carcinoma89 歳の女性が右眼の発赤と異物感を主訴に受診した.検査で結膜の病変が認められ,扁平上皮癌の診断が下された.
REVIEW ARTICLE
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線維性肺疾患
Pulmonary Fibrotic Diseasesこの総説では,線維性肺疾患を取り上げている.特発性肺線維症(IPF)はとくによくみられる線維性肺疾患であるが,この総説では主として IPF 以外に焦点を当てている.そのなかでもより頻度の高い疾患の生物学,臨床症状,治療について論じている.
NEJM QUICK TAKE
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十分な医療サービスを受けていない集団の肥満に取り組む
Addressing Obesity in Underserved Populations黒人およびヒスパニック系の成人,とくに所得が低く,教育が限られている人々では,肥満の頻度が白人およびアジア人の成人よりも高い.プライマリケアには強力な生活習慣介入は十分に導入されていないため,肥満の有病率は上昇し,体重カウンセリングを受ける患者の割合は減少している.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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癌の負担を軽減する
Reducing the Burden of CancerRichard Schilsky が,米国での癌の予防と治療において転機となった出来事について論じている.