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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 14, 2021
Vol. 385 No. 16

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 駆出率の保持された心不全に対するエンパグリフロジン
    Empagliflozin in Heart Failure with Preserved EF

    無作為化試験で,駆出率の保持された心不全患者 5,988 例が,通常治療に加えて,エンパグリフロジンを投与する群とプラセボを投与する群に割り付けられた.追跡期間中央値 26 ヵ月の時点で,心血管死または心不全による入院の発生率は,エンパグリフロジン群のほうがプラセボ群よりも低かった.

  • 自閉症スペクトラム障害に対するオキシトシン
    Oxytocin in Autism Spectrum Disorder

    経鼻オキシトシン療法は,小規模研究の不確実な結果に基づいて,自閉症スペクトラム障害のさまざまな側面を改善するために用いられている.3~17 歳の自閉症スペクトラム障害児 290 例が参加した無作為化試験では,オキシトシンを連日投与しても,24 週の期間中,プラセボと比較して社会的相互作用の指標が改善することはなかった.

  • 医療従事者におけるブレイクスルー Covid-19
    Breakthrough Covid-19 in Health Care Workers

    Covid-19 に対するワクチン接種を完了し,2021 年 1 月 20 日~4 月 28 日の期間中にすべての検査結果が得られた医療従事者 1,497 例のうち,39 例でブレイクスルー感染が検出された.感染した医療従事者は軽症または無症状であり,感染周辺期の中和抗体価が非感染者よりも低かった.

  • 細胞培養インフルエンザワクチン
    Cell-Culture Influenza Vaccine

    インフルエンザワクチンの製造方法は改良する必要がある.たとえば,抗原同定からワクチンの入手が可能になるまでの期間を短縮することや,卵馴化による変異の発生を最小限にすることである.健康な小児を対象とした試験で,細胞培養由来 4 価インフルエンザワクチンは,流行株の血清型に対して有効であった.

REVIEW ARTICLE

  • アスペルギルス症
    Aspergillosis

    アスペルギルス症

    アスペルギルス症は,アスペルギルスという真菌による日和見感染症で,好中球が減少している患者ではとくにリスクがあり,さまざまな臨床症候群を引き起こす.この総説では,アスペルギルス症について現在解明していることと,診断と治療における進歩を取り上げる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 咽頭痛,鼻出血,口腔咽頭部の点状出血を有する男性
    A Man with Sore Throat, Epistaxis, and Oropharyngeal Petechiae

    鎌状赤血球形質を有する 21 歳の男性が,咽頭痛,鼻出血,口腔咽頭部の点状出血を訴えて受診した.ヘモグロビン値は 9.8 g/dL,血小板数は 1,000/μL,白血球数は 670/μL であった.SARS-CoV-2 RNA 検査は陽性であった.診断のための検査が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • ノカルジア脳膿瘍
    Nocardial Brain Abscesses

    80 歳の免疫不全の男性が意識障害のため救急部を受診した.その後男性は昏迷状態となり,頭部 MRI でリング状増強像が認められた.髄液培養で Nocardia farcinica の発育が認められた.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • ダブルルーメン気管内チューブの留置
    Placement of a Double-Lumen Endotracheal Tube

    ダブルルーメン気管内チューブの留置

    ダブルルーメン気管内チューブの留置は,選択的分離肺換気を可能にする気道管理法である.この動画では,健康な肺の損傷または汚染の予防を目的として行う,ダブルルーメン気管内チューブの留置を実演する.

NEJM QUICK TAKE

  • 駆出率の保持された心不全に対するエンパグリフロジン
    Empagliflozin in Heart Failure with Preserved EF

    駆出率の保持された心不全に対するエンパグリフロジン

    ナトリウム–グルコース共輸送体 2 阻害薬は,駆出率の低下した心不全患者の転帰を改善することが示されているが,駆出率の保持された心不全患者の転帰を改善するかどうかは明らかでない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • ワクチン接種を受けた医療従事者における Covid-19
    Covid-19 in Vaccinated Health Care Workers

    ワクチン接種を受けた医療従事者における Covid-19

    Covid-19 ワクチン接種後のブレイクスルー感染がまれに報告されているが,ブレイクスルー感染の相関要因に関するデータはほとんどない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 小児における細胞を用いるインフルエンザワクチンの有効性
    Cell-Based Influenza Vaccine Efficacy in Children

    小児における細胞を用いるインフルエンザワクチンの有効性

    鶏卵を用いて製造されたインフルエンザワクチンの有効性は,卵馴化による変異によって低下する可能性がある.これを回避するために,哺乳類のイヌ腎細胞株でインフルエンザワクチンウイルスが培養された.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE

  • テキサス州の新しい中絶禁止法
    Texas’s New Abortion Law

    テキサス州の新しい中絶禁止法

    R. Alta Charo が,テキサス州における中絶を阻止する目的で,一般市民が訴訟を起こすことを可能にする法律について論じている.