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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 9, 2021
Vol. 385 No. 24

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 乾癬に対するタピナロフクリーム
    Tapinarof Cream for Psoriasis

    局所アリル炭化水素受容体調節薬タピナロフを用いた乾癬の治療について,同一の試験 2 件が行われた.タピナロフクリームを使用した患者では,プラセボを使用した患者と比較して,皮疹が消失またはほぼ消失した患者の割合が高かった.副作用は毛包炎,接触皮膚炎,頭痛などであった.

  • 小児におけるデュピルマブの有効性と安全性
    Efficacy and Safety of Dupilumab in Children

    コントロール不良の中等症~重症喘息を有する 6~11 歳児を対象とした第 3 相無作為化比較試験で,モノクローナル抗体デュピルマブの投与を受けた児は,プラセボの投与を受けた児よりも急性増悪が少なく,肺機能と喘息コントロールが良好であった.

  • 思春期児における mRNA-1273 ワクチン
    The mRNA-1273 Vaccine in Adolescents

    12~17 歳の思春期児約 3,700 例を対象として,mRNA-1273 ワクチンまたはプラセボを注射する試験が行われた.2 回のワクチン接種により高い中和抗体価が誘導され,副反応プロファイルは他の年齢群で認められたものと同様であった.ワクチン非接種群における Covid-19 の発生率は低すぎたため防御効果を評価できなかったが,ワクチンを接種した参加者では Covid-19 は発生しなかった.

  • CKD と糖尿病を有する患者にフィネレノンを投与した場合の心血管イベント
    Cardiovascular Events with Finerenone in CKD and Diabetes

    二重盲検試験で,ステージ 1~4 の慢性腎臓病(CKD)と 2 型糖尿病を有する患者を,フィネレノンを投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.フィネレノンを投与した場合のほうが,心血管系の原因による死亡,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心不全による入院から成る主要複合転帰に関して優れていた.

  • 短報:接合部型表皮水疱症における遺伝子組換え表皮
    Brief Report: Transgenic Epidermis in Junctional Epidermolysis Bullosa

    LAMB3 遺伝子の劣性機能喪失変異による接合部型表皮水疱症を有し,体表面積の 80%で表皮が喪失している小児 1 例に,遺伝子操作した自己培養表皮 1 m2 を移植した.移植後約 5 年の転帰が報告されている.

  • カタールにおける SARS-CoV-2 に対するワクチンの防御効果の減衰
    Waning Vaccine Protection against SARS-CoV-2 in Qatar

    カタールの 90 万人超で,検査陰性者を対照とする症例対照研究が行われた.BNT162b2 ワクチンの SARS-CoV-2 感染に対する有効性は,2 回目の接種後 1 ヵ月でピークの 77.5%に達し,その後低下して,5~7 ヵ月は約 20%となった.しかし重篤な Covid-19 に対する防御効果は,2 回目の接種後少なくとも 6 ヵ月間は 90%を超えていた.

  • イスラエルにおける Covid-19 に対する免疫の減衰
    Waning Covid-19 Immunity in Israel

    イスラエルで行われた,BNT162b2 ワクチンを 2 回接種した 4,000 人近い医療従事者の縦断研究で,スパイク結合 IgG 抗体と中和抗体の抗体価は低下し,とくに,男性,65 歳以上,免疫抑制状態にある人では低下の程度がより大きかった.肥満者は,非肥満者よりも抗体価が高かった.

  • Covid-19 ワクチンを接種したイスラエル人における免疫の減衰
    Waning Immunity among Covid-19-Vaccinated Israelis

    イスラエルでは,6 月中旬に Covid-19 が再流行したため,ワクチンの接種月に応じた Covid-19 に対する免疫の調査が行われた.ワクチン接種完了者の,2021 年 7 月 11 日~31 日の期間における,検査で確認された SARS-CoV-2 感染および重症 Covid-19 に関するデータが収集された.感染および重症 Covid-19 の相対的発生率と絶対的発生率は,全年齢群で,2 回目の接種後時間とともに増加した.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発熱,疲労,関節痛,口腔内潰瘍,皮疹を呈する男性
    A Man with Fevers, Fatigue, Arthralgias, a Mouth Ulcer, and a Rash

    60 歳の男性が,発熱と疲労が続き,舌の潰瘍,顔面と手の乾燥した鱗屑を付す結節,手首,指,肘,肩の移動性関節痛を訴えて受診した.CT で両肺下葉全体に荷重部高吸収域を呈する網状影が認められた.低酸素血症が出現した.診断のための検査が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • 潜在性結核感染症
    Latent Tuberculosis Infection

    潜在性結核感染症

    結核菌(Mycobacterium tuberculosis)曝露または結核への進展の危険因子を有する人は結核菌感染の検査を受けるべきであり,インターフェロンγ遊離試験が望ましい.結核症が除外されても,進展のリスクが高い人は治療を受けるべきであり,リファマイシン系薬を中心とするレジメンが望ましい.

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 先天性ランゲルハンス細胞組織球症
    Congenital Langerhans-Cell Histiocytosis

    新生児に,出生時にびまん性の「ブルーベリーマフィン」皮疹が認められた.皮膚生検で,先天性ランゲルハンス細胞組織球症が確認された.この乳児の皮膚に限局した疾患は,治療なしで 6 週目に消失した.

NEJM QUICK TAKE

  • 尋常性乾癬に対するタピナロフクリーム
    Tapinarof Cream for Plaque Psoriasis

    尋常性乾癬に対するタピナロフクリーム

    尋常性乾癬の治療は主に外用薬であるが,長期の使用や皮膚の全領域での使用はできない.外用タピナロフは既存薬に代わる開発中の薬剤である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • コントロール不良の喘息の小児に対するデュピルマブ
    Dupilumab in Children with Uncontrolled Asthma

    ヒトモノクローナル抗体デュピルマブは,米国では,中等症~重症の喘息の思春期児および成人に対して承認されている.コントロール不良の喘息の小児において,喘息コントロールを改善させるかどうかは明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 腎疾患と 2 型糖尿病を有する患者に対するフィネレノン
    Finerenone in Kidney Disease and Type 2 Diabetes

    腎疾患と 2 型糖尿病を有する患者に対するフィネレノン

    ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であるフィネレノンは,尿中アルブミンの高度上昇を伴う比較的進行したステージ 3 または 4 の慢性腎臓病(CKD)と 2 型糖尿病を有する患者の,腎臓に関連する転帰を改善させることが示されている.それほど進行していない CKD と糖尿病を有する患者に利益をもたらすかどうかは不明である.新しい試験の結果が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • セーフティネットを強化する
    Strengthening the Safety Net

    セーフティネットを強化する

    Janine Knudsen が,Covid-19 パンデミック下でのセーフティネット医療システムの経験と,その推進を支援することについて論じている.