The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

June 3, 1999 Vol. 340 No. 22

HIV - 1 の弱毒変異株による感染 14 ~ 18 年後の免疫学的およびウイルス学的状態―シドニ-血液銀行コホートの報告
Immunologic and Virologic Status after 14 to 18 Years of Infection with an Attenuated Strain of HIV-1-A Report from the Sydney Blood Bank Cohort

J.C. LEARMONT AND OTHERS

背景

シドニー血液銀行コホート(the Sydney Blood Bank Cohort)は,1985 年以前に,ヒト免疫不全ウイルス 1 型.(HVI - 1)の nef 遺伝子と末端反復配列(LTR)とが重複している領域に欠損のある株に感染した供血者の 1 例と輸血レシピエントの 8 例から構成される.このレシピエントの 2 例は,HIV 感染症には関連のない死因によって,1994 年以降に 77 歳および 83 歳で死亡した; もう 1 例のレシピエントは,全身性エリテマトーデス(SLE)を発症していたが,おそらく HIV に関連していると考えられる死因によって,1987 年に 22 歳で死亡した.

方 法

今回,われわれは,このコホートの生存者 6 例と死亡者 1 例の,免疫学およびウイルス学に関する 1998 年 9 月 30 日までの縦断的データを報告する.

結 果

生存レシピエントの 5 例は,HIV - 1 感染後 14 ~ 18 年間にわたって,何の抗レトロウイルス療法も受けずに無症状のままであった; しかしながら,供血者は 1999 年 2 月に治療を開始した.レシピエントの 3 例は,血漿中 HIV - 1 RNA 量が検出限界以下で(< 200 コピー/ mL),このうちの 2 例は,CD4 リンパ球数が 1 年間に 9 / mm3 および 30 /mm3 の割合で減少していた(それぞれ,p = 0.3,p = 0.5).供血者と残りの 2 例のレシピエントは,血漿中 HIV - 1 RNA 量が中央値で 645 ~ 2,850 コピー/ mL であった; 供血者では RNA 量が増加していた(p < 0.001).これらの 3 例では,CD4 リンパ球数は 1 年間に16 ~ 73 / mm3 の割合で減少していた(p < 0.001).感染から 12 年後に死亡したレシピエントは,血漿中 HIV - 1 RNA 量が中央値で 1,400 コピー/ mL で,CD4 リンパ球数は 1 年間に17 / mm3 の割合で減少していた(p = 0.2).

結 論

今回報告した HVI - 1 弱毒変異株による持続感染の後に,HIV - 1 RNA が血漿中に検出できた 4 例の対象者では,その 3 例に免疫学的な障害を示すような所見が認められた.CD4 リンパ球数は,HIV - 1 RNA が血漿中に検出できなかった 3 例の被験者では安定しているように思われる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1715 - 22. )