The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

June 24, 1999 Vol. 340 No. 25

軽症の慢性閉塞性肺疾患を有する喫煙継続者に対する吸入ブデソニドによる長期治療
Long-Term Treatment with Inhaled Budesonide in Persons with Mild Chronic Obstructive Pulmonary Disease Who Continue Smoking

R.A. PAUWELS AND OTHERS

背景

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者は禁煙すべきであるが,禁煙できない患者もいる.

方 法

そこで,われわれは,禁煙できずに喫煙を続けていた軽症 COPD の被験者を対象とした二重盲検プラセボ対照比較試験において,グルココルチコイドであるブデソニドの吸入の効果を評価した.6 ヵ月間の試験的投与期間終了後に,1,277 例の被験者(平均年齢,52 歳; 平均 1 秒努力肺活量[FEV1],予測値の 77%; 73%が男性)を,ブデソニドの 400 μg またはプラセボをドライパウダー吸入器から 1 日 2 回吸入する3 年間の治療に無作為に割り付けた.

結 果

1,277 例の被験者のうち,912 例(71%)が試験を完了した.これらの被験者の 3 年後の時点における,気管支拡張薬処置後の FEV1 低下の中央値は,ブデソニド群では 140 mL,プラセボ群では 180 mL(p = 0.05),あるいは予測値のそれぞれ 4.3%,5.3%であった.治療を開始してから 6 ヵ月目までの時点では,FEV1 は,ブデソニド群では 17 mL/年の割合で改善したのに対して,プラセボ群では 81 mL/年の割合で低下した(p < 0.001).治療の 9 ヵ月目から終了時までの時点では,FEV1 は,2 群とも同様の割合で低下した(p = 0.39).ブデソニド群の被験者の 10%とプラセボ群の被験者の 4%に皮膚挫傷が発現した(p < 0.001).また,被験者の 5%未満に,新たに診断された高血圧症,骨折,後嚢白内障,ミオパシー,および糖尿病が発現したが,この診断の分布は 2 群間で等しかった.

結 論

喫煙を継続する軽度の COPD 患者では,吸入ブデソニドの使用が,肺機能の軽度の一時的な改善に結びついているが,長いあいだに進行していく機能低下に対しては明らかな効果は認められない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1948 - 53. )