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December 30, 1999 Vol. 341 No. 27

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結腸直腸癌の肝転移巣切除後の肝動脈注入化学療法
Hepatic Arterial Infusion of Chemotherapy after Resection of Hepatic Metastases from Colorectal Cancer

N. KEMENY AND OTHERS

背景

結腸直腸癌の肝転移巣切除後 2 年では,約 65%の患者が生存し,25%の患者では癌の再発も検出されない.これらの患者に肝切除後にフロキシウリジン(Floxuridine)の肝動脈注入とフルオロウラシルの全身投与による治療を行うことによって,その転帰を改善させることを試みた.

方 法

156 例の患者を,結腸直腸癌の肝転移巣切除時に,ロイコボリンの併用また非併用によるフロキシウリジンとデキサメタゾンの肝動脈注入とフルオロウラシルの静脈注射による 6 サイクルの治療,またはフルオロウラシルの静脈注射による同じ全身療法のみの 6 週間の治療に無作為に割り付けた.患者の層別を,前治療の状況と手術時に確認した肝転移巣の個数によって行った.試験のエンドポイントは,術後 2 年目の時点における全生存,肝転移の無再発生存,いかなる転移巣の出現も認められない無進行生存であった.

結 果

術後 2 年目の時点における生命表法による全生存率は,併用療法による治療群が 86%,単独療法のみによる治療群が 72%であった(p=0.03).生存期間の中央値は,併用療法群が 72.2 ヵ月間,単独療法群が 59.3 ヵ月間で,追跡調査期間の中央値は 62.7 ヵ月間であった.術後 2 年目の時点における肝転移の無再発生存率は,併用療法群が 90%,単独療法群が 60%であり(p<0.001),無進行生存率は,それぞれ 57%および 42%であった(p=0.07).術後 2 年目の時点における,全身療法のみの患者に対する併用療法の患者の死亡リスク比は,重要な変数を補正すると,2.34 であった(95%信頼区間,1.10~4.98;p=0.027).中等度以上の有害事象の発現率は,併用療法群で下痢および肝臓への影響が高頻度に発現していたことを除いて,2 群間で同程度であった.

結 論

結腸直腸癌の肝転移巣の切除を受けた患者では,術後のフロキシウリジンの肝動脈注入とフルオロウラシルの静注による併用治療によって,術後 2 年目の転帰が改善される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 2039 - 48. )