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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 22, 2009
Vol. 360 No. 4

  • 急性ウイルス感染による喘鳴に対する経口プレドニゾロン
    Oral Prednisolone for Acute Virus-Induced Wheezing

    上気道感染を起こした就学前児では,喘息の明らかな素因がない場合でも,喘鳴がよくみられる.この研究では,入院治療にかかる期間に関して,プラセボ投与を受けた小児と比較して,経口プレドニゾロン投与を受けた小児に有益性は認められなかった.小児は全例,吸入アルブテロールによる治療を受けた.

    • 小児におけるウイルス性喘鳴に対する高用量フルチカゾンの予防的使用
      Preemptive High-Dose Fluticasone for Virus-Induced Wheezing in Children

      アレルギーの既往はないが感冒時に喘鳴を繰り返す小児に対して,上気道感染の最初の徴候を認めた際に,親による高用量フルチカゾン吸入またはプラセボ投与を行った.吸入フルチカゾンによる治療を行った小児のほうが,プラセボ投与を行った小児よりも経口コルチコステロイドが処方される頻度は低かったが,フルチカゾン群の小児のほうが,身長と体重の増加が少なかった.吸入コルチコステロイドの予防的使用を推奨することはできない.

      • シトクロム P450 多型とクロピドグレルに対する反応
        Cytochrome P-450 Polymorphisms and Response to Clopidogrel

        抗血小板薬のクロピドグレルは,シトクロム P450(CYP)酵素による活性化を必要とする.この研究では,クロピドグレルの活性を低下させる CPY の多型により,抗血小板作用が低下し,急性冠症候群患者に対する臨床上の有益性が低下することが示された.

        • クロピドグレルに対する反応の遺伝的決定因子と心血管イベント
          Genetic Determinants of Response to Clopidogrel and Cardiovascular Events

          急性心筋梗塞で受診し,クロピドグレルによる治療を受けていた患者 2,208 例のコホート集団を対象に,クロピドグレルに対する反応に影響を及ぼすことが知られている 5 つの遺伝子の一塩基多型を解析した.CYP2C19 をコードする遺伝子の機能喪失型対立遺伝子を保有する患者では,保有しない患者に比べて,その後 1 年間の心血管イベント発生率が有意に高かった.

        • SPECIAL ARTICLE

          • 米国における微粒子による大気汚染と平均余命
            Fine-Particulate Air Pollution and Life Expectancy in the United States

            微粒子による大気汚染は,あらゆる原因による死亡に寄与していることが示唆されている.この疫学研究では,1970 年代末期と 1990 年代末期における,米国の 51 の大都市圏の微粒子による大気汚染の変化を調査した.微粒子による大気汚染の減少と,平均余命の延長に関連が認められた.

          CLINICAL PRACTICE

          • 脂漏性皮膚炎
            Seborrheic Dermatitis

            35 歳の男性が,頭皮,眉,外耳道の瘙痒,発赤,鱗屑を訴えている.男性は市販のふけ取りシャンプーをいくつか使用してみたが,一時的な改善しかみられずこの症状に困惑しているという.身体診察により,頭皮の脂漏性鱗屑と,黄色い鱗屑を伴う鼻唇のしわの紅斑が明らかになった.この症例をどのように管理すべきであろうか?

          CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

          • てんかん発作を起こした生後 9 ヵ月の男児
            A 9-Month-Old Boy with Seizures

            生後 9 ヵ月の男児が,全般てんかんと泉門の膨隆のため当院に入院した.入院の 3 日前に鼻閉,微熱,下痢が生じるまで,男児の健康状態は良好であった.入院の当日,全般てんかんを起こし,病院に搬送された.診察で泉門の膨隆と前頭のこぶが認められ,臨床検査では低カルシウム血症が明らかになった.追加検査が行われた.