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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 1, 2019
Vol. 381 No. 5
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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重度の貧血に対する即時輸血と待期的輸血の比較
Immediate or No Immediate Transfusion for Severe Anemiaこの無作為化試験では,合併症のない重度の貧血(ヘモグロビン値 4~6 g/dL で,重症であることを示す所見なし)を有する生後 2 ヵ月~15 歳のアフリカ人の小児を,即時輸血(全血換算で 20 mL/kg 体重または 30 mL/kg)を行う群と行わない群に割り付けた.6 ヵ月間で,臨床転帰に群間で差は示されなかった.
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重度の貧血を呈する小児に対する輸血量
Transfusion Volume for Children with Severe Anemiaこの非盲検試験では,重度の貧血を有する生後 2 ヵ月~12 歳のアフリカ人の小児を,即時輸血を 20 mL/kg 体重で行う群と 30 mL/kg で行う群に無作為に割り付けた.輸血量の異なる 2 つの戦略で,主要評価項目である 28 日死亡率に差はみられなかった.
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CLL に対するイブルチニブ+リツキシマブと化学免疫療法との比較
Ibrutinib–Rituximab or Chemoimmunotherapy in CLL未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)を有する 70 歳以下の患者が,イブルチニブ+リツキシマブ群,またはフルダラビン,シクロホスファミド,リツキシマブを用いた化学免疫療法群に無作為に割り付けられた.イブルチニブをベースとしたレジメンでは,無増悪生存期間と全生存期間が延長した.
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黄熱ワクチンの分割用量
Fractional Dose of Yellow Fever Vaccine黄熱ワクチンの供給が世界的に限られていることへの対応として,コンゴ民主共和国で集団発生時にワクチンの分割用量(標準用量の 1/5)を用いたところ,追跡 1 ヵ月と 1 年の時点で,防御が期待される抗体価に一致する免疫原性が確認された.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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免疫チェックポイント阻害に対する反応
Response to Immune Checkpoint Inhibition免疫チェックポイント阻害薬は,マイクロサテライト不安定性(MSI)腫瘍を有する患者に効果がある.モデルマウスを用いた最近の研究で,MSI に関連する特定の変異がその反応を引き起こしていることが示唆された.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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閉塞性水頭症
Obstructive Hydrocephalus4 歳の女児が,頭痛,悪心,嘔吐,易刺激性で受診した.脳 MRI にて,中脳視蓋から生じた囊胞状の腫瘤を認めた.これは水頭症に関連する腫瘍である.
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勢いを増す遺伝子治療
Gene Therapy Gathers Momentum遺伝子治療の領域を何十年もフォローしてきた人々は,将来を期待する前向きな言明にうんざりしているかもしれない.しかしこの 3 年で,6 つの遺伝子治療製品が臨床使用に承認されている.遺伝子治療の臨床研究における課題,リスク,進歩について述べているこの総説には,双方向性の図,イラスト付きの用語解説,著者の 1 人のインタビュー音声が付属する.
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よく咀嚼して出す診断
A Diagnosis to Chew Onうつ病を有する 31 歳の女性が,びまん性の下腹部痛を訴えて受診した.ヘモグロビン値は 9.1 g/dL,ヘマトクリット値は 28.2%,平均赤血球容積は 68.5 fL であった.
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アフリカ人小児における重度の貧血を治療する
Treating Severe Anemia in African Children重度の貧血は,サハラ以南のアフリカの小児における入院の主因であり,死亡率と再入院率が高い.世界保健機関のガイドラインでは制限的な輸血を推奨しているが,そのエビデンスは弱く,アドヒアランスは不良である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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地球のバランスを取り戻す
Rebalancing the PlanetDeborah Anderson が,人口増加に伴う問題を緩和するための新たな避妊法の可能性について論じている.