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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
June 25, 2020
Vol. 382 No. 26
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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1 型糖尿病におけるアロプリノールと腎機能
Allopurinol and Kidney Function in Type 1 Diabetes二重盲検試験で,1 型糖尿病と早期~中等度の糖尿病性腎臓病を有する患者を,糸球体濾過量の低下速度を抑制する可能性のあるアロプリノールを投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.アロプリノール療法で血清尿酸値を低下させても,腎転帰に関して臨床的に意味のある利益はなかった.
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慢性腎臓病の進行に対するアロプリノールの効果
Effects of Allopurinol on Progression of Chronic Kidney Diseaseこの無作為化試験では,進行するリスクのあるステージ 3 または 4 の慢性腎臓病患者にアロプリノールを用いた尿酸降下療法を行うことで,推算糸球体濾過量(eGFR)の低下を抑制することができるかどうかを評価した.アロプリノールは,プラセボと比較して eGFR の低下速度を抑制しなかった.
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研修医の長時間シフトをなくすことが患者の安全性に及ぼす影響
Effect on Patient Safety of Eliminating Extended Resident Physician Shifts小児 ICU の研修医を対象としたクラスター無作為化試験で,研修医が 24 時間以上のシフトを含むスケジュール,または 16 時間以下のシフトのスケジュールに割り付けられた.著者らの仮説に反し,長時間勤務のスケジュールのほうが研修医による重大な医療過誤が少なかった.
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鎌状赤血球貧血に対するより高用量のハイドロキシウレア
Higher-Dose Hydroxyurea for Sickle Cell Anemiaハイドロキシウレアは鎌状赤血球貧血の小児の胎児ヘモグロビンの発現を上昇させ,臨床的合併症を減少させる.サハラ以南のアフリカの患児を対象とした試験で,より高用量(30 mg/kg/日)のハイドロキシウレアは,標準用量(20 mg/kg)と比較して,毒性を増加させることなく転帰を改善することが示された.
SPECIAL ARTICLE
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Covid-19 の黒人患者と白人患者
Black Patients and White Patients with Covid-19後ろ向きコホート研究で,ルイジアナ州の医療システムのデータが解析された.その加入者集団は 31%が非ヒスパニック系黒人である.Covid-19 で入院した患者の 76.9%,Covid-19 で死亡した患者の 70.6%が黒人であった.患者のベースライン特性で補正すると,黒人であることは院内死亡率がより高いこととは関連しなかった.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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空腸憩室による腸間膜捻転
Mesenteric Volvulus from Jejunal Diverticulosis75 歳の男性が腹痛と嘔吐を訴えて受診し,画像検査で中腸軸捻転を示唆する「渦巻き状病変」が認められた.手術中に空腸憩室が同定された.
Videos, Images, and Multimedia
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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個人防護具と Covid-19
Personal Protective Equipment and Covid-19この動画では,Covid-19 患者の診療中に感染性物質に曝露するリスクを最小限に抑えるため,米国疾病管理予防センター(CDC)が病院での使用を推奨している,1 種類の個人防護具(PPE)の着脱手順を実演する.
CLINICAL DECISIONS
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てんかんの管理に用いる抗痙攣薬
Anticonvulsant Medications to Manage Epilepsyこの双方向性の記事では,てんかん重積状態に進行した特発性全般てんかんの女性 1 例の症例を取り上げ,異なる非ベンゾジアゼピン系薬による治療を推奨する 3 つのエッセイを添えている.NEJM.org で投票し,コメントを述べてください.
REVIEW ARTICLE
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サリチル酸の毒性
Salicylate Toxicityこの総説では,サリチル酸中毒の危険因子,急性毒性・慢性毒性の病態生理,意図せぬ毒性作用につながる可能性のあるサリチル酸塩を密かに含有しているもの,サリチル酸の毒性の管理に焦点を当てている.
NEJM QUICK TAKE
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サハラ以南のアフリカにおける鎌状赤血球貧血
Sickle Cell Anemia in Sub-Saharan Africaサハラ以南のアフリカとインドでは,鎌状赤血球貧血を有する新生児の数が 2050 年までに 30%増加すると予測されている.新生児スクリーニングプログラムと適切な診療がなされなければ,患児の 50~90%は 5 歳未満で死亡すると推定される.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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内的モチベーションをサポートする
Supporting Intrinsic MotivationPamela Hartzband が,医師のバーンアウトを改善するための,組織心理学から得られた教訓について論じている.