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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
September 9, 2021
Vol. 385 No. 11
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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移動式脳卒中ユニットの試験
Trial of Mobile Stroke Units移動式脳卒中ユニットには,CT スキャナが搭載され,組織プラスミノーゲンアクチベータを投与する訓練を受けたスタッフが配備されている.複数都市で行われた試験で,急性期脳梗塞後 90 日時点での機能的転帰は,移動式脳卒中ユニットで治療した場合のほうが,救急隊(EMS)による標準治療を行って救急部に搬送した場合よりも良好であった.
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バングラデシュ農村部の乳児に対する鉄剤介入
Iron Interventions in Infants in Rural Bangladesh貧血が高頻度にみられる低・中所得国の小児に対する鉄剤(ドロップまたはシロップ)または多種微量栄養素パウダーの投与は,世界保健機関に推奨されている.バングラデシュの乳児を対象とした試験で,これらの介入を 3 ヵ月間行ったところ,プラセボと比較して児の発達やその他の機能転帰に効果がないと思われた.
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脳海綿状血管腫の解明への回り道
Circuitous Route to Understanding CCMsこの研究の目的は髄膜腫モデルを作製することであったが,遺伝子改変マウスでは,髄膜腫ではなく脳海綿状血管腫の発生が観察されたことから,この奇形を有する患者で関与遺伝子の検討が行われた.
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マラリアに対する化学的予防併用または非併用下でのワクチン接種
Malaria Vaccination with or without Chemopreventionマラリア予防における RTS,S/AS01E ワクチンの有効性を,化学的予防と比較して評価した.RTS,S/AS01E の防御効果は化学的予防に対して非劣性であり,RTS,S/AS01E と化学的予防の併用はいずれか一方の介入単独よりも有効であった.
REVIEW ARTICLE
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サルコイドーシス
Sarcoidosisサルコイドーシスは,非乾酪性肉芽腫を特徴とする原因不明の肺疾患である.心臓や神経系も侵される場合がある.誤診されることが多く,確定診断には組織生検が必要である.初期治療には,必要に応じてグルココルチコイドが推奨されるが,長期の治療には推奨されない.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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HIV 感染予防を求める思春期児
An Adolescent Seeking HIV Prophylaxis16 歳の男児が,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に対する曝露前予防を検討するため,感染症クリニックを受診した.男児はシスジェンダー男性を自認し,これまでの男性の性的パートナーは 10 人を超えるという.男児は受診内容の守秘を希望した.管理の意思決定がなされた.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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歯肉潰瘍
Gingival Ulceration50 歳の男性が,1 ヵ月前から続く発熱,鼻閉,前歯のあいだの潰瘍の増大を訴えて歯科診療所を受診した.生検で,節外性 NK/T 細胞リンパ腫であることが判明した.
NEJM QUICK TAKE
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移動式脳卒中ユニットで管理した場合の臨床転帰
Clinical Outcomes with Mobile Stroke Units急性期脳梗塞の患者は,移動式脳卒中ユニット,すなわち病院到着前に組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)投与が可能な設備とスタッフを備えた救急車でケアを受けるほうが,標準的な救急隊(EMS)のケアと比較して,転帰が改善する可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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乳児に対する鉄剤介入の機能的利益
Functional Benefits of Infant Iron Interventions貧血は,低・中所得国の幼児で多くみられる.世界保健機関は,貧血の頻度が高い国の小児に対する鉄剤投与を推奨しているが,そのような介入の機能的利益は不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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ヒトチャレンジ試験と Covid-19
Human Challenge Studies and Covid-19Garth Rapeport が,SARS-CoV-2 ヒトチャレンジ研究プログラムの開発と実施について論じている.