January 1, 1998 Vol. 338 No. 1
Body-Mass Index と死亡率の関係に及ぼす年齢の影響
THE EFFECT OF AGE ON THE ASSOCIATION BETWEEN BODY-MASS INDEX AND MORTALITY
J. STEVENS AND OTHERS
最適な体重に及ぼす年齢の影響については議論が分かれており,適当な被験者数を用いて,年齢群に対する body-mass index の関数として死亡率を分析した試験はほとんどない.
われわれは,アメリカ癌学会の癌予防試験 I(1960~72 年)に参加した 12 歳以上の白人男女の死亡率を調べた.この分析に含めた男性 62,116 人および女性 262,019 人は,1959~60 年のベースラインでは喫煙したことがなく,心臓病,脳卒中または癌(皮膚癌以外)の既往を示さず,また最近では体重の自然減少歴はなかった.死亡した被験者の死亡日および死因は,死亡診断書から判断した.六つの年齢群について,年齢,教育水準,身体活動,および飲酒量に関して補正した分析において,body-mass index(体重 [kg] を身長 [m] の二乗で除したものとして定義する)と死亡率との関係を調べた.
body-mass index が増大すれば,75 歳までの男女の,すべての原因および心血管疾患による死亡率が上昇した.しかし,より大きい body-mass index に関連する相対危険度は年齢とともに低下した.たとえば,心血管疾患を原因とする死亡率では,body-mass index の 1 増加に対応した相対危険度は,30~44 歳の男性で 1.10(95%信頼区間,1.04~1.16),および 65~74 歳の男性で 1.03(95%信頼区間,1.02~1.05)であった.女性に関しては,対応する相対危険度推定値は,1.08(95%信頼区間,1.05~1.11)および 1.02(95%信頼区間 1.02~1.03)であった.
過剰な体重は,30~74 歳の成人において,いかなる原因および心血管疾患による死亡のリスクも増加させる.より重い体重に関連する相対危険度は,若い被験者ではより高い.