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October 8, 1998 Vol. 339 No. 15

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喘息の小児に対するイプラトロピウム噴霧が入院率に及ぼす効果
EFFECT OF NEBULIZED IPRATROPIUM ON THE HOSPITALIZATION RATES OF CHILDREN WITH ASTHMA

F. QURESHI, J. PESTIAN, P. DAVIS, AND A. ZARITSKY

背景

イプラトロピウムのような抗コリン作用薬は,喘息が急激に悪化した患者の肺機能を改善するが,入院率に及ぼすそれらの効果は不明である.

方 法

中等症または重症喘息の急性増悪があり,救急室で治療した小児 434 人(2~18 歳)において,無作為二重盲検プラセボ対照試験を実施した.患児全例に,アルブテロールの噴霧溶液(体重に応じて 1 回 2.5 mg または 5 mg)を 20 分ごとに 3 回噴霧し,その後必要に応じて噴霧した.コルチコステロイド(プレドニゾン [prednisone] またはプレドニゾロン 2 mg/kg 体重)をアルブテロールの 2 回目の噴霧時に経口投与した.治療群の患児には,臭化イプラトロピウム 500 μg(2.5 mL)をアルブテロールの 2 回目および 3 回目の噴霧のさいに加え,対照群の患児には,これらのさいに生理食塩水 2.5 mL を噴霧した.

結 果

全体で,入院率はイプラトロピウム群(215 人中 59 人 [27.4%])のほうが,対照群(219 人中 80 人 [36.5%])よりも低かった(p=0.05).中等症喘息(最大呼気流量が予測値の 50~70%,または喘息スコアが 15 ポイント尺度で 8~11)の患児では,入院率は 2 群で同程度であった(イプラトロピウム:79 人中 8 人 [10.1%];対照:84 人中 9 人 [10.7%]).重症喘息(最大呼気流量が予測値の<50%,または喘息スコアが 12~15)の患児では,イプラトロピウムを加えると,入院の必要性は有意に低下した(136 人中 51 人 [37.5%] に対し,対照群では 135 人中 71 人 [52.6%];p=0.02).

結 論

重度の喘息増悪を起こした患児では,臭化イプラトロピウムをアルブテロールおよびコルチコステロイド療法に加えると,入院率が有意に低下する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1030 - 5. )